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2008.07/17 [Thu]
第一回口頭弁論メモ(3)(大淀事件22-4) ※とりあえず完成
7月14日、午前の部、後半です。
(2)証人喚問 :T医師(大淀病院内科医・当直)
※発言者
T医師
被:被告側弁護士。
被1:大淀病院弁護士
被2:大淀病院産科医師弁護士
原:原告側弁護士。『白い巨塔』や『Tomorrow』の監修でお馴染みの方?
裁判官:大島裁判長、奥山裁判官、西岡裁判官
主尋問:被告側弁護士→T医師(大淀病院内科当直医)
※T先生の声はぼそぼそという感じで、私には聴き取りにくく、
肝心のところがメモできなかったところがあります。すみません。
<T医師の医師としての経験、脳卒中の経験、脳卒中とは?>
被1「あなたは平成12年医師免許取得されて、本件の平成18年までに
すでに6年ほどの経験がありますね?」
T医師「はい」
被1「平成18年までに、いわゆる脳卒中の患者さんの経験は?」
T医師「脳梗塞と合わせて100人位」
被1「いわゆる脳卒中、脳梗塞も合わせてですが、
どのような症状で発症することが多いですか?」
T医師「脳梗塞は、ろれつが回らない。
脳内出血は、頭痛がする、吐き気がする」
被1「意識障害をきたした患者さんに対して、注意する点は?」
T医師「内科ですので、意識障害の原因は脳だけとは限らない。
肺疾患、心疾患、肝臓などいろいろを考えます。
まずVital sign。で、脳に異常がないかどうか」
被1「Vital signの中で大切なのは?」
T医師「一つ一つ大切だと思います。
呼吸で言えば肺疾患、気胸などでも
血圧なら、ショック、出血、敗血症、そういった状態でも意識障害はあります」
被1「瞳孔についてはどうですか?」
T医師「瞳孔については、脳の異常を診る。
脳神経の異常を診る。動眼神経、滑車神経、外転神経」
被1「平成18年までに経験された脳卒中及び脳内出血で、
意識障害で始まった症例はありますか?」
T医師「いくつかあります」
被1「どのような症例でしたか?
T医師「まず血圧200以上、瞳孔も完全に散大」
被1「その症例はどういう予後、経過をたどりましたか?」
T医師「頭のCTを取って、脳外科に送ったが、
脳外科のほうでも手の施しようがなく、経過観察。そのまま亡くなった」
<8月8日 0時30分〜40分 心因性意識障害>
被1「0時30分前ぐらいに、看護師から陣痛中に意識障害があったという連絡
で、
産科病棟に行かれた、と。
病室に行かれたとき、M先生(被告医師)はいましたか?」
T医師「おられました」
被1「M先生からどういう状態か説明はありました?」
T医師「陣痛中に意識消失になった」
被1「M先生は何をしていましたか?」
T医師「ベッドサイドにいました」
被1「CTGを装着されていたかどうか記憶はありますか?」
T医師「わからない」
被1「陳述書にこの時点で、『散大や共同偏視なし、対光反射があった』と書いてあるが、
所見を取った理由は?」
T医師「脳に異常がないかを調べました」
被1「脳に異常がないかどうかを調べるのに、瞳孔所見は重要ですか?」
T医師「意識障害の患者さんで、診察できることは限られていますが、
その中では瞳孔所見は重要」
被1「対光反射はペンライトで調べられた?」
T医師「はい」
被1「ここの記載によると、特に瞳孔所見に異常はなかったということでよろしいですか?」
T医師「はい」
被1「『顔面に異常はない』というのは?」
T医師「脳神経の一つである顔面神経に異常はなかった、ということ」
被1「『チアノーゼがない』は? 」
T医師「ショック状態にはない」
被1「『眼瞼結膜からは黄疸・貧血なし』は?」
T医師「黄疸なしは、肝障害によるアンモニア血症はなし」
被1「(記載漏れ)」
T医師「皮膚が発汗しているから、ショック状態ではない」
被1「心因性の意識障害と判断した理由は?」
T医師「診察上特に脳の異常なし。年齢が若く、血圧も異常なさそう」
被1「陳述書には書いていない、それ以外の神経学的所見として、
特に注意したのは?」
T医師「『腕落下試験』。腕を上げて顔のほうに落すと、
脳に異常がある患者なら、そのままぽとりと顔の上に落ち、
心因性なら、少し払いのける。
払いのけるような動作をした」
被1「寝ている患者の顔の前に腕を持ち上げると、
脳内出血だとそのまま腕が顔面に落下する、
脳に異常がある患者なら、そのままぽとりと顔の上に落ち、
心因性の発作なら少し払いのける」
T医師「はい」
被1「それで『経過観察を助言した』と書いておられるが、
経過観察の時間として、どれぐらいを考えていましたか?」
T医師「今まで心因性の意識障害なら、30分以内で収まっていたので、
それぐらいを考えていた」
被1「その場に居られたのは、M先生以外は誰ですか? 他にもいましたか?」
T医師「覚えていない。M先生はいました」
被1「何分ぐらい様子を見ましょうといった具体的な話はしたか?」
T医師「具体的な時間指示はしていない」
被1「呼ばれてからどれぐらいM香さんの病室にいましたか?」
T医師「10分位」
被1「0時30分前ぐらいに呼ばれて、10分位ということは、0時30分〜40分位」
T医師「はい」
<1時50分〜、CT進言>
被1「その後、陳述書によると
『1時50分、看護師から意識が戻らずケイレン発作が起こっているので来てほしいと連絡があった』
とあるが、その時にもう一度行ったということ?」
T医師「はい」
被1「病室に行ったとき、看護師の言うケイレン発作を実際に見たか?」
T医師「その時は起こっていなかった」
被1「その時の瞳孔所見は
『瞳孔散大、左右差なし。対光反射右消失、左、僅かに認めるのみ』とあるが、それでよいか?」
T医師「はい」
被1「『血圧、呼吸状態は安定している』はどのときの状態か?」
T医師「0時30分の時と比べて、他の所見はない」
被1「瞳孔の様子は『散大』と書いているが、間違いはないか」
T医師「はい」
被1「『右の対光反射は消失していた、左の対光反射僅かに認める』とあるのは、
僅かに残っていたのか、殆ど無かったけれど右と比べてあったという意味か」
T医師「右と左で結構違う」
被1「瞳孔の大きさの左右差は?」
T医師「なかった」
被1「約一時間半の意識消失と合わせて、脳に異常がと判断されたということですが、
少し戻りますが、
先生が1時30分ないし50分頃に呼ばれ、訪室したとき、M先生はおられました?」
T医師「いました」
被1「『脳の異常でないか』とM先生に言いましたか?」
T医師「そのときにはもうM先生は転送しようと判断されていたので」
被1「すると実際には、先生が1時50分ごろ呼ばれて行って、診察をする前、
もしくは診察後判断する以前に、M先生は転送を決めていたということですか?」
T医師「そういうことかと」
被1「M先生が転送を決めていたことをどう感じたか」
T医師「(聞き取れず)」
被1「陳述書に『脳に何らかの異常』と書いているが、
具体的にのその原因を、その時に考えたか?」
T医師「脳卒中、脳梗塞か脳出血。
可能性としては、脳出血かと」
被1「陳述書には『[2時ごろ脳CTを撮ったらどうか]と進言したが、
M医師が[動かしてはいけない]と言ったとある。『CTを撮ったら』の根拠は?」
T医師「瞳孔が散大していたので、脳のCTが診断に有用と思った」
被1「M先生に『動かしてはいけない』と言われ、先生はどうしましたか?」
T医師「患者は妊婦なので、M先生の判断に」
被1「M先生にそういわれて、『それでもCTを撮ったほうがいい』といいましたか?」
T医師「それはいっていない」
被1「そうすると先生としても、脳卒中を疑い、鑑別に有用かも知れないが、
M先生に従おうと思って、それ程強くは言わなかったということか?」
T医師「はい」
<除脳硬直、子癇発作>
被1「陳述書には『2時〜3時ごろ、除脳硬直が出現した』とあるが、
先生は除脳硬直の患者を見たことがありますか?」
T医師「あります」
被1「どのようなポジションになりますか」
T医師「両腕を伸展して……(手を握ったまま内側に回す動作をする)」
被1「下肢はどのような?」
T医師「下肢も伸展して」
被1「そういうポジションになったら、ずっとその状態なのか、
それとも、そうなったりならなかったりになるのか? 以前の経験では」
T医師「刺激を加えると(そういうポジションになる)」
被1「M香さんの場合は、どういう時にその姿勢が見られた?
T医師「よく分かりません」(←だと思います)
被1「子癇発作の経験、見た事は?」
T医師「ない」
被1「文献的な知識はありますか?」
T医師「細かい所まではわからない」
被1「除脳硬直は、2時〜3時ごろと書いているが、
出現した時点で見たのか、その時間帯に限って見られたのか?」
T医師「観察時間の間、収まったり起こったり」
被1「ベッドサイドにいた時間は?」
T医師「2〜3時間ぐらい」
被1「その間、ずっとそれが起こっていたのか、
ある地点からは収まったのか?」
T医師「覚えていない」
被1「CTを撮ったらどうかと言われたが、
CTを取った後の具体案は考えていましたか?」
T医師「考えていませんでした。
脳出血であっても、Vitalを見る」
<当時の大淀病院の転送について>
被1「大淀病院の転送について、どういうところに、
また何のシステムを通じてするか、 についての、先生の知識は?」
T医師「産科についてはわからない」
被1「ご自分の患者を転送する場合は?」
T医師「内科は、症例によって当てはまる病院に、医師自身が電話をしていく。」
被1「それぞれの病院に、先生自身が連絡をとるということ。
産科はご存じない?」
T医師「はい」
<神経学的所見>0時30分の時点かと。
被2「看護師の記録に、先生が『肩の関節を触っていた、体中を触っていた』とある。
肩は先ほどの手の落下試験ということだが、全身を触っていたのは何をしたのか?」
T医師「麻痺があるかないかを調べました」
被2「異常はありましたか?」
T医師「異常はなかった」
被2「脳出血のプロセス。右の被殻出血から始まったとされていますが、
障害が出るとしたら、片一方になると思うが、そういうアンバランスな事はあったか?」
被1「肩を触られた時」
T医師「左右差はなかった」
被2「瞳孔を見た時、全身にケイレンがあるなどは?」
T医師「その時はなかった」
反対尋問:原告側弁護士→T医師
<0時30分前、JCS100〜200>
原「当日の入院カルテ2頁、『マルタカ』と言うサインは、あなたのですか?」
T医師「はい」
原「あなたによるそれ以外のカルテの記載は?」
T医師「ありません」
原「これは何時ごろの診察?」
T医師「一回目の診察」
原「0時15分位?」「何時ごろ?」「意識が消失した後ですか?」
T医師「後です」
原「乙A−7号証の陳述書。
『0時30分前ぐらいに、看護師からなんとかかんとかで、産科病棟に行く』と」
※なんとかかんとか、はメモのままです。それでいいのかと思った記憶があります。
T医師「はい」
原「0時30分頃というのは、意識消失した後ですよね?」
T医師「はい」
原「さっきの話では、15分ぐらいいたということだが」
T医師「10分ぐらい」」
原「その間の記載ですか? 0時30分前位から10分ぐらいの事?」
T医師「はい」
原「『瞳孔丸く、左右差なし』とあるが、『丸く』というのはどういうこと?」
T医師「正常」
原「正常? 大きく広がったり、縮んだりしていないということか?」
T医師「そうです」
原「ははは、そういう意味ですか」「『胸部異常なし』とある。これは念のため、どういうことを想定して?」
T医師「気胸がないかどうか」
原「この時点の意識障害は、意識消失になっていたか?」
T医師「そうです」
原「あなたの記載(乙A−7号証)、『JCS100ないし200』とは、
刺激がなければ覚醒しない状況?」
T医師「刺激があっても覚醒しない」
原「私ら素人なんで、JCSって339方式、三桁ですね?」
T医師「はい」
原「300が完全昏睡状態。あなたの『100ないし200』は?」
T医師「刺激で体動はある。開眼はしない」
原「助産師の記録『痛み刺激で体動がある』の状態か?」
T医師「はい」
原「痛み刺激は何かしたんですか?」「つねったり叩いたり?」
T医師「多分つねった」
原「妊婦だから陣痛が続いている。陣痛刺激に対する反応があったということ?」
T医師「陣痛刺激かどうかはわからない」
原「『JCS100〜200』は、あなたが与えた刺激への反応があったということ?」
T医師「はい」
原「陣痛刺激、または周期的なものかについてはわからない?」
T医師「はい、わかりません」
<2時頃〜 除脳硬直について>
原「2時から3時の間に除脳硬直が出現し、いつまで続いたかは分からないが、続いていたと言うことですね」
T医師「はい」
原「どういう時に除脳硬直姿勢があるか?」「間欠的、それとも持続的?」
T医師「間欠的」
原「刺激を与えた時、とさっき言ったが、それは陣痛刺激によるものか?」
T医師「それはわからない」
原「外から刺激を与えたら、除脳硬直姿勢を示すと言うことか? 与えないと出てこないということ?」
T医師「与えなければ出てこないというわけではない」
原「あなたの陳述書にある『除脳姿勢が2時ないし3時ぐらいに出現』し、
先ほどの証言では『持続していた』。持続の仕方はどのような?」
T医師「間欠的な」
原「『間欠的』という意味は? 外から刺激を与えた時に出る筈と思うのね」
T医師「そういうわけではない」
原「はははは」
T医師「刺激を与えたらおこりやすいという意味」
原「あなたの見た状態は、外から刺激を与えたから起こるのではなくて、
何らかの事情で間欠的に起こる」
T医師「そうです」
原「これが除脳硬直、除脳姿勢だと、当時から分かっていた?」
T医師「はい」
原「除脳姿勢は脳の病変と考えた?」
T医師「はい」
原「脳の病変、異常が起きたと感じたのは、患者のどういう状態を観察してから?」
T医師「瞳孔が散大視、経過観察で改善しない」
原「何時ぐらいからそういうことになってくる?」
T医師「二回目の診察」
原「陳述書によると、1時50分?」
T医師「はい」
<意識消失は心因性発作→脳の異常、そしてCT>
原「意識消失の原因を内科医として。当時は心因性反応・心因性発作と見立てた?」
T医師「はい」
原「0時30分頃ね。それが変更になるのは、1時50分以降の所見によるということ?」
T医師「はい」
原「心因性反応・ヒステリーと思ったけれど、違うんじゃないかとは、
M先生と話しましたね」
T医師「CTを撮ったらと」
原「そういう主旨で?」
T医師「はい」
原「結論としては、CTを撮らなかったが、
当時CTは撮れたのか、客観的条件は?」「まずCTの機械があるかどうか?」
「大淀病院で出来たのか、どこかに運ぶのか」
T医師「病院でできます」
原「病院で出来ることは知っていた?」
T医師「はい」
原「H18年8月8日午前2時、3時である当時、
実際CTを撮るまでの時間は?」
T医師「50分はかかる」
<4時頃、気管内挿管>
原「2時ないし3時に除脳硬直の出現を見てから、陳述書によると、
4時ぐらいまで、妊婦の側に居たということだが、あなたの役割は何?」
T医師「循環状態、呼吸状態を把握する」
原「見ていて格別著変はなかったが、
転送間際に事件がおこりましたね。
T医師「呼吸状態が悪くなった」
原「乙A−7号証、陳述書。『4時ごろに呼吸状態が悪くなった』。
具体的には?」
T医師「具体的には、喘ぎ様呼吸が大きくなり、サチュレーションが下がった」
原「呼吸の仕方に、何か特徴的または病的なものは?」
T医師「舌根沈下に伴い、(抜け)」
原「バイトブロックをしていましたよね」
T医師「はい」
原「舌根沈下はなぜ起こる?」
T医師「呼吸状態から」
原「その後気管内挿管をしたとあるが、その道具は」
T医師「M先生に持ってきてもらった。どこからかは分からない」
原「直ちに持ってきたか?」
T医師「持ってきた」
原「陣痛室、及びその付近には、気管内挿管の道具はなかったと言うこと?」
T医師「わからない」
原「あのね、Iさん(看護師)の陳述書に『気管内挿管救急処置の準備をした』とある。
あなたの陳述書『舌根沈下を見て、気管内挿管の道具を持ってくるよう、
看護師に頼んだ』は間違いない?」
T医師「はい」
原「その結果、患者さんの呼吸状態は改善した?」
T医師「はい」
原「気管内挿管をしたら、酸素の送り方は?」
T医師「人工呼吸器に繋げず、自発呼吸で」
原「陽圧をかける、とか、バッグを揉む、はなし?」
T医師「はい」
原「気管内挿管による気道確保状態で搬送になった?」
T医師「はい」
原「あなたの知識では、
4時すぎの舌根沈下、気管内挿管必要になったのは、
脳の病変でいうと、どういう意味合いになるのか?」
T医師「呼吸中枢が徐々にやられてきて」
原「それまでは格別問題がなかったと言うわけですね?」
T医師「それまでは格別異常なし」
被告側弁護士→T医師
被3「除脳硬直について。T先生の陳述書で『JCS100〜200 痛み刺激に反応』は除脳硬直のことを言われたと思うが、
この記載は、今回除脳硬直か強直性ケイレンかであらそいになっている前の、
0時30分位、最初の意識消失発作の時でJCSで間違いはないか?」
T医師「はい」
被3「先ほどCTを撮るかいなかの話をしていたが、
この裁判の争点は、0時14分の意識喪失した時点でCTを撮るべきだ、となっているが、
この時にCTを撮ったほうがよいといわれた事は?」
T医師「ない」
裁判官→T医師
奥山裁判官「奥山から数点お尋ねします。
あなたと被告M医師との関係ですが、大淀病院で一緒に勤務されている以外に
例えば、位、階級に上下はありますか?」
T医師「ない」
奥山裁判官「一緒に仕事をするのは他にもある?」
T医師「大淀病院だけです」
奥山裁判官「12時14分に、M香さんの意識消失後に呼び出されて、観察した時に、
M医師から『頭の中は大丈夫か?」と聞かれたことはあったか?」
T医師「ハッキリした記憶はないが、陳述書を見て、あったと思う」
奥山裁判官「今はあったという記憶があると」
T医師「読んで、はい」
奥山裁判官「M医師から『頭の中は大丈夫か?』と聞かれて、
『Vitalもいいし、このまま様子を見ましょう』と言ったのも?」
T医師「そうです」
奥山裁判官「最初の意識消失の後、
次に1時50分に呼び出されるまで、一度もM香さんを観察していない?」
T医師「はい」
奥山裁判官「この間の一時間半位、意識消失が続いたが、
意識障害している時間としては長いと考えた?」
T医師「はい」
奥山裁判官「具体的には、心因性ならどれぐらいの時間の長さを考えますか?」
T医師「僕の経験した10例ぐらいからは、30分程度」
奥山裁判官「そういう主旨も踏まえて、経過観察の目安を30分と考えた」
T医師「はい」
奥山裁判官「1時50分頃に呼び出されて、M医師にCTを進言したと。
それに対してM医師は『動かしてはいけない』と言われたと」
T医師「はい」
T医師「このとき、M医師は子癇を疑っているという説明は受けましたか?」
T医師「『大淀病院では手に負えない』と聞いた」
奥山裁判官「手に負えない具体的な原因は、何も聞いていない?」
T医師「はい」
奥山裁判官「当時大淀病院でCTは撮れたが、40〜50分かかると先ほど言われたが、
具体的にはどういうことでかかるのか?」「詳細を」
T医師「機械を立ち上げる。
CTの装置は技師さんにしか分からないから、技師さんに連絡。
CT立ち上げる時間が (メモぬけ)、
立ち上がった段階で、患者さんをCT室まで運ぶ」
奥山裁判官「検査技師は、当時病院にいましたか?」
T医師「はい」
奥山裁判官「陣痛室からCT室まではかなり遠いのですか?」
T医師「5〜10分。移動するのもゆっくりしないといけない」
西岡裁判官「裁判官の西岡からお尋ねします。
0時30頃、患者さんを診察し、心因性意識消失発作と診断し、
経過観察を助言した、ということだが、
経過観察は、何と何を鑑別するためか?」
T医師「心因性のものと、脳卒中」
西岡裁判官「30分ほど回復しなければ、脳卒中の可能性が高くなる?」
T医師「僕の経験からは」
西岡裁判官「30分経過すれば、どうするようにという指示を、
具体的に、誰にしましたか?」
T医師「いつも救急外来では、看護師の方から連絡が来る」
西岡裁判官「今回は『様子を見てください』程度の指示だった?」
T医師「はい」
西岡裁判官「30分経って、連絡がなかったのですね?」
T医師「はい」
西岡裁判官「証人のほうから、どうですかと確認はしなかったのですか?」
T医師「他の患者さんも診察していたので、していない」
西岡裁判官「2点目。
1時50分頃の診察で、脳に何らかの異常がある、と。
主尋問で、脳出血の経過であろうと思われる、ということだったが、
具体的にどういう症状を、脳出血と考えたのか?」
T医師「急激な意識消失と経過、5分前の頭痛。あと瞳孔」
西岡裁判官「意識が回復しないという部分も、ポイントとなる?」
T医師「大きいと思います」
大島裁判長「裁判長大島から一点だけ。
心因性意識消失の目安は30分位と言われていたが、
今から振り返ってみると、
30分位経過した時点で、診たほうがよかったと言えると思うか」
T医師「それは、看護師さんの連絡がないと、動きようがないかと思います。
大島裁判長「わかりました。ありがとうございました」
被1「あの」
大島裁判長「どうぞ」
被1「裁判官の方からの、M先生とT先生の間に上下関係があるのかの問に
上司だということだったが、
医師は科が違えは、それぞれの責任でアドバイスをされるかと思うが、
そういう意味では対等だったと考えてよいですか?」
T医師「はい。対等であると考えています」
大島裁判長「はい、終わります」
「午後は1時30分からにいたしましょう」
ひとまず、午前中分は終わりです。
午後のほうがメモの量が多いので、まだまだ先は長そうです……。(7月19日、18:25)
→(4)
(2)証人喚問 :T医師(大淀病院内科医・当直)
※発言者
T医師
被:被告側弁護士。
被1:大淀病院弁護士
被2:大淀病院産科医師弁護士
原:原告側弁護士。『白い巨塔』や『Tomorrow』の監修でお馴染みの方?
裁判官:大島裁判長、奥山裁判官、西岡裁判官
主尋問:被告側弁護士→T医師(大淀病院内科当直医)
※T先生の声はぼそぼそという感じで、私には聴き取りにくく、
肝心のところがメモできなかったところがあります。すみません。
<T医師の医師としての経験、脳卒中の経験、脳卒中とは?>
被1「あなたは平成12年医師免許取得されて、本件の平成18年までに
すでに6年ほどの経験がありますね?」
T医師「はい」
被1「平成18年までに、いわゆる脳卒中の患者さんの経験は?」
T医師「脳梗塞と合わせて100人位」
被1「いわゆる脳卒中、脳梗塞も合わせてですが、
どのような症状で発症することが多いですか?」
T医師「脳梗塞は、ろれつが回らない。
脳内出血は、頭痛がする、吐き気がする」
被1「意識障害をきたした患者さんに対して、注意する点は?」
T医師「内科ですので、意識障害の原因は脳だけとは限らない。
肺疾患、心疾患、肝臓などいろいろを考えます。
まずVital sign。で、脳に異常がないかどうか」
被1「Vital signの中で大切なのは?」
T医師「一つ一つ大切だと思います。
呼吸で言えば肺疾患、気胸などでも
血圧なら、ショック、出血、敗血症、そういった状態でも意識障害はあります」
被1「瞳孔についてはどうですか?」
T医師「瞳孔については、脳の異常を診る。
脳神経の異常を診る。動眼神経、滑車神経、外転神経」
被1「平成18年までに経験された脳卒中及び脳内出血で、
意識障害で始まった症例はありますか?」
T医師「いくつかあります」
被1「どのような症例でしたか?
T医師「まず血圧200以上、瞳孔も完全に散大」
被1「その症例はどういう予後、経過をたどりましたか?」
T医師「頭のCTを取って、脳外科に送ったが、
脳外科のほうでも手の施しようがなく、経過観察。そのまま亡くなった」
<8月8日 0時30分〜40分 心因性意識障害>
被1「0時30分前ぐらいに、看護師から陣痛中に意識障害があったという連絡
で、
産科病棟に行かれた、と。
病室に行かれたとき、M先生(被告医師)はいましたか?」
T医師「おられました」
被1「M先生からどういう状態か説明はありました?」
T医師「陣痛中に意識消失になった」
被1「M先生は何をしていましたか?」
T医師「ベッドサイドにいました」
被1「CTGを装着されていたかどうか記憶はありますか?」
T医師「わからない」
被1「陳述書にこの時点で、『散大や共同偏視なし、対光反射があった』と書いてあるが、
所見を取った理由は?」
T医師「脳に異常がないかを調べました」
被1「脳に異常がないかどうかを調べるのに、瞳孔所見は重要ですか?」
T医師「意識障害の患者さんで、診察できることは限られていますが、
その中では瞳孔所見は重要」
被1「対光反射はペンライトで調べられた?」
T医師「はい」
被1「ここの記載によると、特に瞳孔所見に異常はなかったということでよろしいですか?」
T医師「はい」
被1「『顔面に異常はない』というのは?」
T医師「脳神経の一つである顔面神経に異常はなかった、ということ」
被1「『チアノーゼがない』は? 」
T医師「ショック状態にはない」
被1「『眼瞼結膜からは黄疸・貧血なし』は?」
T医師「黄疸なしは、肝障害によるアンモニア血症はなし」
被1「(記載漏れ)」
T医師「皮膚が発汗しているから、ショック状態ではない」
被1「心因性の意識障害と判断した理由は?」
T医師「診察上特に脳の異常なし。年齢が若く、血圧も異常なさそう」
被1「陳述書には書いていない、それ以外の神経学的所見として、
特に注意したのは?」
T医師「『腕落下試験』。腕を上げて顔のほうに落すと、
脳に異常がある患者なら、そのままぽとりと顔の上に落ち、
心因性なら、少し払いのける。
払いのけるような動作をした」
被1「寝ている患者の顔の前に腕を持ち上げると、
脳内出血だとそのまま腕が顔面に落下する、
脳に異常がある患者なら、そのままぽとりと顔の上に落ち、
心因性の発作なら少し払いのける」
T医師「はい」
被1「それで『経過観察を助言した』と書いておられるが、
経過観察の時間として、どれぐらいを考えていましたか?」
T医師「今まで心因性の意識障害なら、30分以内で収まっていたので、
それぐらいを考えていた」
被1「その場に居られたのは、M先生以外は誰ですか? 他にもいましたか?」
T医師「覚えていない。M先生はいました」
被1「何分ぐらい様子を見ましょうといった具体的な話はしたか?」
T医師「具体的な時間指示はしていない」
被1「呼ばれてからどれぐらいM香さんの病室にいましたか?」
T医師「10分位」
被1「0時30分前ぐらいに呼ばれて、10分位ということは、0時30分〜40分位」
T医師「はい」
<1時50分〜、CT進言>
被1「その後、陳述書によると
『1時50分、看護師から意識が戻らずケイレン発作が起こっているので来てほしいと連絡があった』
とあるが、その時にもう一度行ったということ?」
T医師「はい」
被1「病室に行ったとき、看護師の言うケイレン発作を実際に見たか?」
T医師「その時は起こっていなかった」
被1「その時の瞳孔所見は
『瞳孔散大、左右差なし。対光反射右消失、左、僅かに認めるのみ』とあるが、それでよいか?」
T医師「はい」
被1「『血圧、呼吸状態は安定している』はどのときの状態か?」
T医師「0時30分の時と比べて、他の所見はない」
被1「瞳孔の様子は『散大』と書いているが、間違いはないか」
T医師「はい」
被1「『右の対光反射は消失していた、左の対光反射僅かに認める』とあるのは、
僅かに残っていたのか、殆ど無かったけれど右と比べてあったという意味か」
T医師「右と左で結構違う」
被1「瞳孔の大きさの左右差は?」
T医師「なかった」
被1「約一時間半の意識消失と合わせて、脳に異常がと判断されたということですが、
少し戻りますが、
先生が1時30分ないし50分頃に呼ばれ、訪室したとき、M先生はおられました?」
T医師「いました」
被1「『脳の異常でないか』とM先生に言いましたか?」
T医師「そのときにはもうM先生は転送しようと判断されていたので」
被1「すると実際には、先生が1時50分ごろ呼ばれて行って、診察をする前、
もしくは診察後判断する以前に、M先生は転送を決めていたということですか?」
T医師「そういうことかと」
被1「M先生が転送を決めていたことをどう感じたか」
T医師「(聞き取れず)」
被1「陳述書に『脳に何らかの異常』と書いているが、
具体的にのその原因を、その時に考えたか?」
T医師「脳卒中、脳梗塞か脳出血。
可能性としては、脳出血かと」
被1「陳述書には『[2時ごろ脳CTを撮ったらどうか]と進言したが、
M医師が[動かしてはいけない]と言ったとある。『CTを撮ったら』の根拠は?」
T医師「瞳孔が散大していたので、脳のCTが診断に有用と思った」
被1「M先生に『動かしてはいけない』と言われ、先生はどうしましたか?」
T医師「患者は妊婦なので、M先生の判断に」
被1「M先生にそういわれて、『それでもCTを撮ったほうがいい』といいましたか?」
T医師「それはいっていない」
被1「そうすると先生としても、脳卒中を疑い、鑑別に有用かも知れないが、
M先生に従おうと思って、それ程強くは言わなかったということか?」
T医師「はい」
<除脳硬直、子癇発作>
被1「陳述書には『2時〜3時ごろ、除脳硬直が出現した』とあるが、
先生は除脳硬直の患者を見たことがありますか?」
T医師「あります」
被1「どのようなポジションになりますか」
T医師「両腕を伸展して……(手を握ったまま内側に回す動作をする)」
被1「下肢はどのような?」
T医師「下肢も伸展して」
被1「そういうポジションになったら、ずっとその状態なのか、
それとも、そうなったりならなかったりになるのか? 以前の経験では」
T医師「刺激を加えると(そういうポジションになる)」
被1「M香さんの場合は、どういう時にその姿勢が見られた?
T医師「よく分かりません」(←だと思います)
被1「子癇発作の経験、見た事は?」
T医師「ない」
被1「文献的な知識はありますか?」
T医師「細かい所まではわからない」
被1「除脳硬直は、2時〜3時ごろと書いているが、
出現した時点で見たのか、その時間帯に限って見られたのか?」
T医師「観察時間の間、収まったり起こったり」
被1「ベッドサイドにいた時間は?」
T医師「2〜3時間ぐらい」
被1「その間、ずっとそれが起こっていたのか、
ある地点からは収まったのか?」
T医師「覚えていない」
被1「CTを撮ったらどうかと言われたが、
CTを取った後の具体案は考えていましたか?」
T医師「考えていませんでした。
脳出血であっても、Vitalを見る」
<当時の大淀病院の転送について>
被1「大淀病院の転送について、どういうところに、
また何のシステムを通じてするか、 についての、先生の知識は?」
T医師「産科についてはわからない」
被1「ご自分の患者を転送する場合は?」
T医師「内科は、症例によって当てはまる病院に、医師自身が電話をしていく。」
被1「それぞれの病院に、先生自身が連絡をとるということ。
産科はご存じない?」
T医師「はい」
<神経学的所見>0時30分の時点かと。
被2「看護師の記録に、先生が『肩の関節を触っていた、体中を触っていた』とある。
肩は先ほどの手の落下試験ということだが、全身を触っていたのは何をしたのか?」
T医師「麻痺があるかないかを調べました」
被2「異常はありましたか?」
T医師「異常はなかった」
被2「脳出血のプロセス。右の被殻出血から始まったとされていますが、
障害が出るとしたら、片一方になると思うが、そういうアンバランスな事はあったか?」
被1「肩を触られた時」
T医師「左右差はなかった」
被2「瞳孔を見た時、全身にケイレンがあるなどは?」
T医師「その時はなかった」
反対尋問:原告側弁護士→T医師
<0時30分前、JCS100〜200>
原「当日の入院カルテ2頁、『マルタカ』と言うサインは、あなたのですか?」
T医師「はい」
原「あなたによるそれ以外のカルテの記載は?」
T医師「ありません」
原「これは何時ごろの診察?」
T医師「一回目の診察」
原「0時15分位?」「何時ごろ?」「意識が消失した後ですか?」
T医師「後です」
原「乙A−7号証の陳述書。
『0時30分前ぐらいに、看護師からなんとかかんとかで、産科病棟に行く』と」
※なんとかかんとか、はメモのままです。それでいいのかと思った記憶があります。
T医師「はい」
原「0時30分頃というのは、意識消失した後ですよね?」
T医師「はい」
原「さっきの話では、15分ぐらいいたということだが」
T医師「10分ぐらい」」
原「その間の記載ですか? 0時30分前位から10分ぐらいの事?」
T医師「はい」
原「『瞳孔丸く、左右差なし』とあるが、『丸く』というのはどういうこと?」
T医師「正常」
原「正常? 大きく広がったり、縮んだりしていないということか?」
T医師「そうです」
原「ははは、そういう意味ですか」「『胸部異常なし』とある。これは念のため、どういうことを想定して?」
T医師「気胸がないかどうか」
原「この時点の意識障害は、意識消失になっていたか?」
T医師「そうです」
原「あなたの記載(乙A−7号証)、『JCS100ないし200』とは、
刺激がなければ覚醒しない状況?」
T医師「刺激があっても覚醒しない」
原「私ら素人なんで、JCSって339方式、三桁ですね?」
T医師「はい」
原「300が完全昏睡状態。あなたの『100ないし200』は?」
T医師「刺激で体動はある。開眼はしない」
原「助産師の記録『痛み刺激で体動がある』の状態か?」
T医師「はい」
原「痛み刺激は何かしたんですか?」「つねったり叩いたり?」
T医師「多分つねった」
原「妊婦だから陣痛が続いている。陣痛刺激に対する反応があったということ?」
T医師「陣痛刺激かどうかはわからない」
原「『JCS100〜200』は、あなたが与えた刺激への反応があったということ?」
T医師「はい」
原「陣痛刺激、または周期的なものかについてはわからない?」
T医師「はい、わかりません」
<2時頃〜 除脳硬直について>
原「2時から3時の間に除脳硬直が出現し、いつまで続いたかは分からないが、続いていたと言うことですね」
T医師「はい」
原「どういう時に除脳硬直姿勢があるか?」「間欠的、それとも持続的?」
T医師「間欠的」
原「刺激を与えた時、とさっき言ったが、それは陣痛刺激によるものか?」
T医師「それはわからない」
原「外から刺激を与えたら、除脳硬直姿勢を示すと言うことか? 与えないと出てこないということ?」
T医師「与えなければ出てこないというわけではない」
原「あなたの陳述書にある『除脳姿勢が2時ないし3時ぐらいに出現』し、
先ほどの証言では『持続していた』。持続の仕方はどのような?」
T医師「間欠的な」
原「『間欠的』という意味は? 外から刺激を与えた時に出る筈と思うのね」
T医師「そういうわけではない」
原「はははは」
T医師「刺激を与えたらおこりやすいという意味」
原「あなたの見た状態は、外から刺激を与えたから起こるのではなくて、
何らかの事情で間欠的に起こる」
T医師「そうです」
原「これが除脳硬直、除脳姿勢だと、当時から分かっていた?」
T医師「はい」
原「除脳姿勢は脳の病変と考えた?」
T医師「はい」
原「脳の病変、異常が起きたと感じたのは、患者のどういう状態を観察してから?」
T医師「瞳孔が散大視、経過観察で改善しない」
原「何時ぐらいからそういうことになってくる?」
T医師「二回目の診察」
原「陳述書によると、1時50分?」
T医師「はい」
<意識消失は心因性発作→脳の異常、そしてCT>
原「意識消失の原因を内科医として。当時は心因性反応・心因性発作と見立てた?」
T医師「はい」
原「0時30分頃ね。それが変更になるのは、1時50分以降の所見によるということ?」
T医師「はい」
原「心因性反応・ヒステリーと思ったけれど、違うんじゃないかとは、
M先生と話しましたね」
T医師「CTを撮ったらと」
原「そういう主旨で?」
T医師「はい」
原「結論としては、CTを撮らなかったが、
当時CTは撮れたのか、客観的条件は?」「まずCTの機械があるかどうか?」
「大淀病院で出来たのか、どこかに運ぶのか」
T医師「病院でできます」
原「病院で出来ることは知っていた?」
T医師「はい」
原「H18年8月8日午前2時、3時である当時、
実際CTを撮るまでの時間は?」
T医師「50分はかかる」
<4時頃、気管内挿管>
原「2時ないし3時に除脳硬直の出現を見てから、陳述書によると、
4時ぐらいまで、妊婦の側に居たということだが、あなたの役割は何?」
T医師「循環状態、呼吸状態を把握する」
原「見ていて格別著変はなかったが、
転送間際に事件がおこりましたね。
T医師「呼吸状態が悪くなった」
原「乙A−7号証、陳述書。『4時ごろに呼吸状態が悪くなった』。
具体的には?」
T医師「具体的には、喘ぎ様呼吸が大きくなり、サチュレーションが下がった」
原「呼吸の仕方に、何か特徴的または病的なものは?」
T医師「舌根沈下に伴い、(抜け)」
原「バイトブロックをしていましたよね」
T医師「はい」
原「舌根沈下はなぜ起こる?」
T医師「呼吸状態から」
原「その後気管内挿管をしたとあるが、その道具は」
T医師「M先生に持ってきてもらった。どこからかは分からない」
原「直ちに持ってきたか?」
T医師「持ってきた」
原「陣痛室、及びその付近には、気管内挿管の道具はなかったと言うこと?」
T医師「わからない」
原「あのね、Iさん(看護師)の陳述書に『気管内挿管救急処置の準備をした』とある。
あなたの陳述書『舌根沈下を見て、気管内挿管の道具を持ってくるよう、
看護師に頼んだ』は間違いない?」
T医師「はい」
原「その結果、患者さんの呼吸状態は改善した?」
T医師「はい」
原「気管内挿管をしたら、酸素の送り方は?」
T医師「人工呼吸器に繋げず、自発呼吸で」
原「陽圧をかける、とか、バッグを揉む、はなし?」
T医師「はい」
原「気管内挿管による気道確保状態で搬送になった?」
T医師「はい」
原「あなたの知識では、
4時すぎの舌根沈下、気管内挿管必要になったのは、
脳の病変でいうと、どういう意味合いになるのか?」
T医師「呼吸中枢が徐々にやられてきて」
原「それまでは格別問題がなかったと言うわけですね?」
T医師「それまでは格別異常なし」
被告側弁護士→T医師
被3「除脳硬直について。T先生の陳述書で『JCS100〜200 痛み刺激に反応』は除脳硬直のことを言われたと思うが、
この記載は、今回除脳硬直か強直性ケイレンかであらそいになっている前の、
0時30分位、最初の意識消失発作の時でJCSで間違いはないか?」
T医師「はい」
被3「先ほどCTを撮るかいなかの話をしていたが、
この裁判の争点は、0時14分の意識喪失した時点でCTを撮るべきだ、となっているが、
この時にCTを撮ったほうがよいといわれた事は?」
T医師「ない」
裁判官→T医師
奥山裁判官「奥山から数点お尋ねします。
あなたと被告M医師との関係ですが、大淀病院で一緒に勤務されている以外に
例えば、位、階級に上下はありますか?」
T医師「ない」
奥山裁判官「一緒に仕事をするのは他にもある?」
T医師「大淀病院だけです」
奥山裁判官「12時14分に、M香さんの意識消失後に呼び出されて、観察した時に、
M医師から『頭の中は大丈夫か?」と聞かれたことはあったか?」
T医師「ハッキリした記憶はないが、陳述書を見て、あったと思う」
奥山裁判官「今はあったという記憶があると」
T医師「読んで、はい」
奥山裁判官「M医師から『頭の中は大丈夫か?』と聞かれて、
『Vitalもいいし、このまま様子を見ましょう』と言ったのも?」
T医師「そうです」
奥山裁判官「最初の意識消失の後、
次に1時50分に呼び出されるまで、一度もM香さんを観察していない?」
T医師「はい」
奥山裁判官「この間の一時間半位、意識消失が続いたが、
意識障害している時間としては長いと考えた?」
T医師「はい」
奥山裁判官「具体的には、心因性ならどれぐらいの時間の長さを考えますか?」
T医師「僕の経験した10例ぐらいからは、30分程度」
奥山裁判官「そういう主旨も踏まえて、経過観察の目安を30分と考えた」
T医師「はい」
奥山裁判官「1時50分頃に呼び出されて、M医師にCTを進言したと。
それに対してM医師は『動かしてはいけない』と言われたと」
T医師「はい」
T医師「このとき、M医師は子癇を疑っているという説明は受けましたか?」
T医師「『大淀病院では手に負えない』と聞いた」
奥山裁判官「手に負えない具体的な原因は、何も聞いていない?」
T医師「はい」
奥山裁判官「当時大淀病院でCTは撮れたが、40〜50分かかると先ほど言われたが、
具体的にはどういうことでかかるのか?」「詳細を」
T医師「機械を立ち上げる。
CTの装置は技師さんにしか分からないから、技師さんに連絡。
CT立ち上げる時間が (メモぬけ)、
立ち上がった段階で、患者さんをCT室まで運ぶ」
奥山裁判官「検査技師は、当時病院にいましたか?」
T医師「はい」
奥山裁判官「陣痛室からCT室まではかなり遠いのですか?」
T医師「5〜10分。移動するのもゆっくりしないといけない」
西岡裁判官「裁判官の西岡からお尋ねします。
0時30頃、患者さんを診察し、心因性意識消失発作と診断し、
経過観察を助言した、ということだが、
経過観察は、何と何を鑑別するためか?」
T医師「心因性のものと、脳卒中」
西岡裁判官「30分ほど回復しなければ、脳卒中の可能性が高くなる?」
T医師「僕の経験からは」
西岡裁判官「30分経過すれば、どうするようにという指示を、
具体的に、誰にしましたか?」
T医師「いつも救急外来では、看護師の方から連絡が来る」
西岡裁判官「今回は『様子を見てください』程度の指示だった?」
T医師「はい」
西岡裁判官「30分経って、連絡がなかったのですね?」
T医師「はい」
西岡裁判官「証人のほうから、どうですかと確認はしなかったのですか?」
T医師「他の患者さんも診察していたので、していない」
西岡裁判官「2点目。
1時50分頃の診察で、脳に何らかの異常がある、と。
主尋問で、脳出血の経過であろうと思われる、ということだったが、
具体的にどういう症状を、脳出血と考えたのか?」
T医師「急激な意識消失と経過、5分前の頭痛。あと瞳孔」
西岡裁判官「意識が回復しないという部分も、ポイントとなる?」
T医師「大きいと思います」
大島裁判長「裁判長大島から一点だけ。
心因性意識消失の目安は30分位と言われていたが、
今から振り返ってみると、
30分位経過した時点で、診たほうがよかったと言えると思うか」
T医師「それは、看護師さんの連絡がないと、動きようがないかと思います。
大島裁判長「わかりました。ありがとうございました」
被1「あの」
大島裁判長「どうぞ」
被1「裁判官の方からの、M先生とT先生の間に上下関係があるのかの問に
上司だということだったが、
医師は科が違えは、それぞれの責任でアドバイスをされるかと思うが、
そういう意味では対等だったと考えてよいですか?」
T医師「はい。対等であると考えています」
大島裁判長「はい、終わります」
「午後は1時30分からにいたしましょう」
ひとまず、午前中分は終わりです。
午後のほうがメモの量が多いので、まだまだ先は長そうです……。(7月19日、18:25)
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