お決まりの日々?

モモの節句でございます。

いのちを守りたいのです、とiPS細胞研究費を仕分けする鳩山政権

「前政権が認めてくれて、予算が出たけれど、
 政権交代が起きて、三分の一に減らされたので、
 当初の予定を変更せざるを得なかった」
by 山中伸弥先生

本日、講演会に行ってきました。
二本立てだったのだけれど、時間の都合で山中先生のしか聞けませんでした。

「我が国開発の技術」とスライドでも強調された、
ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究費が、
民主党政権によって削られていたことは、WEB記事で知り、
腹を立てていたけれど、今、この瞬間も、寸暇を惜しんで、
世界で一番を目指して研究を続けているグループのトップに言われると、
重く響く。

以下、本日の講演の覚書(の一部)と、私の突っ込み。
数字などには間違いがあるかと思います。


ES細胞は、「万能性」があるすごいものだが、二つの問題から自由になることができなかった。
他人由来のES細胞なので、移植後の拒絶反応が必ず起こること、
そして、ヒト受精卵からしかできないので、それを破壊することによる倫理的問題。

ES細胞のいいとこどりができないか、すなわち、ヒト受精卵をつかわず、万能性を持つ、
ES細胞類似のものができないかと、山中先生が考えたのが、
分化した細胞を初期化(逆分化)して、幹細胞にするということ。
患者本人の細胞が元だから、拒絶反応も起こらない。
そして、万能性、すなわち、分化多様性を持ち、ほぼ無限に増殖できる細胞ができないか、と。

山中先生は、クローン羊ドリーのニュースで、「自論は可能だ」と確証を得、
ラットでのiPS細胞の生成に世界で初めて成功させた。
世界は大いに驚いた。
ラットの次はヒト。
ラットでの実験と同じやりかたで、同じ4つの遺伝子をレトロウィルスにかまして、
ヒト成人皮膚細胞に送り込めば、ヒトiPS細胞ができたのだけれど、
山中先生達が見つけた方法はとてもシンプルで、再現性の高い、
すなわち、しっかりした方法だったから、ヒトiPS細胞の時点で各国にライバルが出現していた。

「2位ではだめなのか?」と与党である民主党の必殺仕分け人は叫んだけれど、
研究分野は一番じゃないとダメなんだ。
名誉も特許も仕分けで必殺されては仕方がないじゃないか。

ES細胞については、オバマ政権がガッツリ応援して
(前政権は、ヒト受精卵を破壊するのはよろしくないと、
 倫理的観点から反対していた)、すでに臨床治験が行われている。

さて、山中先生がiPS細胞の研究について研究費を申請すれば、
麻生政権は認めてくれ、予算がついた。

よし、実用化に向けてもっと頑張って研究するぞーと思った矢先、
山中先生の研究を、政権交代が阻む。

個人個人に対して、その人の皮膚細胞からiPS細胞を作り、
それを分化誘導させて、移植、となると、
一人当たり何百万円もかかり、また、iPS細胞を作るのに3~4ヶ月、
分化誘導に1~2ヶ月と、半年近くかかってしまい、
移植のホットタイムを逃してしまうから、
骨髄バンクのような、iPS細胞バンクを作ろうと考えた。

骨髄移植では、膨大なドナーが必要だが、
iPS細胞移植ではそうではないことに、山中先生は気づいた。
特殊なHLA型、父と母から同じものを受け継いだ、ホモをさがして、
50名(パターン)を探し出しiPS細胞を作って貯めておけば、
日本人の90%に主要三座が完全一致する。
すでに一番多い型の人が見つかっている。
その一人で、日本人の20パーセントをカバーできるのだそうだ。

研究費も認められたし、
協力病院で患者さんから皮膚をもらって、どんどん調べていくぞー、
というときに、政権交代。仕分けされ予算は1/3になった。
50名の当初の予定は、
20名に減らさなければならなくなった。

iPSバンクへのドナーが集まっても、まだ実現までには問題がある。
iPS細胞に施される初期化は、癌化に似ているから、
移植後癌にならないかという問題もある。
どのように必要な細胞に分化誘導するか、移植法も決まったものはない。
分化誘導の過程で、未分化細胞が残っていたら、奇形腫が発生するかもしれない。
iPS細胞が、実際に臨床で使われるのには、まだまだ課題があって、
山中先生は移植ができるようになるまで後40年と言われただろうか?

鳩山首相は、「いのちを守りたいのです」と、
一つの演説内で、24回「いのち」を連発されていたが、
日本人の命は、日本国開発の技術は、彼にとっては守る対象ではなく、
仕分け対象なのでしょう。
40年後には小沢幹事長も自分もこの世にいないだろうから関係ないと思っているのか。

移植が可能になるより先に、
新薬の毒性や副作用のチェックにiPS細胞は非常に有益で、
こちらはすでにドラフトが完成している。

薬の副作用が出やすい体質(遺伝子異常、他)の人にモニターをつけて、
内服実験をさせるというのは、非常に危険な場合があるが、
iPS細胞ならシャーレの中で実験ができるのだから、
どんな過酷な条件でも試せる。
危険性があると分かった薬は、
市場に出回る前に開発を打ち切ることができるので、
新薬の開発費も、それにかかる時間も削減できる。
内服された患者さんが怖い思いをすることもない。

また、今まで治療法のなかった病気のモデルを、
患者さんの皮膚からiPS細胞を作ることで、作成することができる。
病因の解明や、治療法の探索もできるだろう。 

「世界の人たちのいのちを守る」ことになるのに、
鳩山内閣は、予算を友愛しちゃったのね。
日本がやらなくても他の国がやってくれるから一番じゃなくていい、というのでしょうね。
(鳩山なんちゃら、と名づけて海外への資金援助より、こちらの方が
 よほど日本ができる大きなことだと思います)

ヒトiPS細胞が完成して10年。その前にラット、アイデアからになると、
かなり前からでしょうが、山中先生はiPS細胞の着想を得、研究を始められたとき、
自分が生きている間に完成しないかも、と覚悟をされていたと言われていました。
研究ってそういうもの。
先が見えない研究対象に、長い年月を、その人の一生以上の年月をかけても、
新発見に情熱を注ぎ続ける。
結果がすぐに出る、出ないで判断できる分野ではない。

ましてや「2位ではだめなのか」と切りすてられたら、やる気無くなるわ、と
凡人の私は憤っていたけれど、
さすが、というか、研究の結果が得られない年月が続いてもあきらめない
研究者という人種はとてつもなく忍耐強くおられるようで、
国から虐げられても、頑張っておられるのだなあと、じーんと来た。


この講演会の主催は、日本医師会なのだそうだ。
日本医師会といえば、先日民主党に擦り寄っていた。
自民党寄りだった日本医師会が、民主党にいじめられているのは、
「支持者じゃないと意見も聞いてもらえない」姿勢をはっきり出している
民主党だから分かるけど、
「民主党政権が『いのちを守りたい』と願うなら、日本医師会に協力せよ。
 こちらにはその用意がある」ぐらいの強気には出られんもんだろうか。

日本医師会のマスコット、お鼻が赤いハートの白クマのぬいぐるみは
とってもかわいいです。だから日本医師会は嫌いになれないの。頑張れ!

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『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
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