お決まりの日々?

モモの節句でございます。

月『スカーレット・ピンパーネル』

今日は歯医者。
歯医者が終わるのが12時ごろで、
そこから歩いて乗り換えて、13時前に大劇場に着きそう、
と思っていながら支度をしていたら、大劇場にいました。
(歯医者はもちろん行きましたよ!)

一月に2回大劇場にいるなんて、
しかも、バウと大劇場公演、というわけでもなくいるなんて何年ぶり?

第二幕開演前
今日は月組の『スカーレット・ピンパーネル』を観ました。

星組の初演も素晴らしかったけれど、
新生月組のものとして、別の素晴らしさがあり、
公演開始4日目と思えない完成度だと感激しました。

作品の持つ熱に、出演者も熱くなっているという感じ?
(大劇場の舞台は、これだけ奥行きがあったのかとも驚かされた。演出の力か?)

星組では、初見のせいか「パーシーの冒険譚」的な要素を強く感じたのだけれど、
月組版は、謎解きを知った上で見ているからか、
「パーシーとマルグリット~二人が再び出会うまで」の恋愛物だと思いました。

それは主役の影が薄い、ということではありません。
むしろ逆。
やたらとでかいぞ、この主役!
小柄なはずなのに、飛び出すきりやんぶりは健在で、存在がでっかい。
声も太く、とにかく立派だ。厭味なほど立派で、出たとたん、
この人物は英雄だ!と思わせる何かで威圧される。
頭もいいし武も立つ。人を心酔させる陽の気に溢れている。
パーフェクトなんですよね。
一階の最後列で見てもでかい。ヒールの高さによるものだけではないと思う。

きらきら輝くそのか王も非常な大物オーラを漂わせているが、
そのか王とのシーンでは、一歩引いて、全く対等のでかさを示していた。
只者ではないそのか王は、きりやんパーシーが暗躍していることにしっかり気づいていて、
協力しているという感じ。このひとも相当な曲者だと思わせ、
それが月組の「スカーレット・ピンパーネル」を物語として成功させているとも思う。

霧矢さんが、悪目立ちしているというわけではなく、
グラパンの扮装時は、只者でない不気味な存在感で場を占め、
それが狡猾なロペス・ピエールすらだまされてしまった理由であると説明にもなるほどの、
老練で熟達した策士という印象だった。
異常な存在感はあるものの飛び出すきりやん状態ではなかったし、
冒頭の妻と娘をペストで失った年老いた親父役や、フランス革命派の兵士に扮しているときは、
引っ込んでいるぐらいの目立たなさなので、これも彼女の芸の一つなのだろうと思う。
(存在の重さを自在に操っているというか……すごいなあ)
グラパンが全てお見通しだという重厚さで押してくるので、
ロペスピエールたちが馬鹿に見えない。手玉に取られても仕方ないと感じてしまう。
それほどに、スカーレット・ピンパーネルもグラパンも別格だった。

グラパンの歩き方などの動作、冒頭の老人もそうだが、
老人の動きや笑い声が、あまりにも達者な自然さだったので、
グラパン初出時、これも霧矢さんなのか、と一瞬ドキリとさせられ、
腰を曲げた状態で客席にお尻を向けた場面で、霧矢さんだと安心した自分がちょっと恥ずかしい。
(スーツアクターさんを見分けるポイントの一つがお尻のラインなので。そして
 霧矢さんの跳躍力を感じさせるお尻の形は好きです……我ながら変態ですが、
 パーツ萌としても非常に魅力的な方です。一番好きなのは、
 彼女の身体から溢れて劇場全体を抱く歌声と、それに象徴されるような
 迸るパッションだと思いたいです。あああ)
その足の悪い老人としか思えないグラパンが、ショーブランらの目を盗んで、
時々あるまじき高速移動をやっているところもオカシイ。
グラパンの笑い声には驚いた。どこから声が出ているのやら。これでいいのかタカラジェンヌ!
(霧矢さんのそんな半端無い役者魂も好きv)


まりもちゃんのマルグリットは、異国に嫁ぎ、夫と弟夫婦しかよすががない状況が、
月組に新しい主演娘役として、星組から「お嫁に来た」状況に似ている。
組内に一部を除いて旧知の関係があるとは思えず、
まずは主演男役についていく。平行して、他の組子とも、一から関係を築いていくしかない。
強さもあるけれど、儚さも感じさせる。
パーシーの熱情に乗ってイギリスまできてしまったけれど、
結婚後手のひらを返したように冷たい夫の態度に、
ここで私は生きていけるの、と不安の中にいる感じ。
革命家としての活動は、革命の夢に浮ついていたところを、周囲に担がれたようなものなのだろう。

あすかちゃんととうこさんのすんぱらしいカップルぶりは、
『スカピン』以前にも見ていたので、役の上でも信頼が見える。
背中を向け合っていても、あすか嬢が演じる役の人物は不安にならないであろうと、
それまでの記憶から私は勝手に感じてしまう。

でも、まりもちゃんときりやんさんのペアを私は見たことが無いのだ。
祖国を離れて異国に嫁ごうとまで彼女に決意させた彼の
(時にうっとおしくなるぐらいに(←想像))溢れる熱情が、
急に感じられなくなれば、どれだけ不安だろうか、と思う。

パーシーがマルグリットと恋仲になった過程は、
劇中では描かれていないのだけれど、勝手に想像させられる。
きりやんパーシーは、スカピン団としての活動の合間に、
偶然彼女のステージを見て、彼女こそ僕の探していた人だ、と燃え上がり、
周囲が引くのもお構いなく、アタック開始。
もちろん恋にのぼせていても、スカーレット・ピンパーネルとしての冴えは従来どおり、
どころか、恋のパワーか以前以上にエネルギッシュにやっているものだから、
仲間も注意はできても文句は言えない。
毎日のように公演に来るのは当たり前、
薔薇の花束で、贈り物で、言葉で君が好きだ好きだと押しまくり、
他の女性に声をかけられても適当にかわして、マルグリットまっしぐらの誠実さで、
幸福な生い立ちとは思えない彼女に、抜群の安らぎを与えたのだと勝手に想像する。

とうこさんパーシーはいい意味で、ちゃらい(遊びなれている)。
だから、ショーブランにあの男のどこがいいのか、と問われた
あすかマルグリットの「予測のつかないところかしら?」には、
パリでも見せていた、という継続的な「予測のつかなさ」を思った。
上のように、恋愛に対してもまじめ一徹ではなかったかと想像させる
きりやんパーシーの場合の「予測のつかなさ」は
まりもマルグリットが、結婚した当日に豹変してしまった彼の、今、
何を信じたらいいのか分からないけれど、彼しかいないのだから、
ついていくしかないという覚悟を、
予測もつかなかったことだが、誠実さで彼女を安心させた彼は
急に変わってしまったという事実を、良い表現で示そうとした、
切ない「予測のつかなさ」であるように感じた。

あすかちゃんのマルグリットは女王のように堂々とした風格があって、
それまでの豊かな人生経験も感じさせ、パーシーがいなくても生きていける感じ。
同じように冷たくされても、
あすかマルグリットは「この私を良くもコケにしてくれたわね、このイギリス男が!」
とプライドを傷つけられて怒っている部分も感じられて、なんだか骨太。
元革命家でフランス一の歌姫なんだから、彼女の役作りに納得する。

まりもマルグリットは
「愛して信じてついてきた夫は変わってしまった。私は何を信じてこれから生きていけばいい?」と
不安と苦悩を強く感じて、かわいそうになる。
彼女も強く生きてきたことにかわりはないけれど、
パーシーをhomeだと、彼の存在に安らぎを得たところだったから、
安らげる場所がなくなったこと、唯一信じられると思った存在に裏切られたと動揺して、
気持ちが弱くなっている。
パーシの遊び仲間という貴族達と弟が、ラブラブっぷりを見せ付けてくれるものだから、
私達も過去にはああであったのに、と彼女はますます辛く孤独になる。

でも、夫のスカーレット・ピンパーネルとしての大いなる愛の行動を知ったとき、
彼を信じられなかった自分の愚かさを強く恥じ、
もう遅いかもしれないけれど、それでも彼を愛していることを示したいと、
「私の勇気」を示すと行動するシーンに、彼女のけなげさを感じて、泣かされた。

まりもマルグリットもけなげだが、きりやんパーシも一途にけなげ。
パーシーが、彼女がショーブランと繋がっているかも知れない、と
そのような彼女を愛した自分は愚かだが、彼女の心は自分の元になくても、
それでも彼女を愛しているから守りたいと、頑張っている姿に、
ショーブランの敵であるスカーレット・ピンパーネルを尊敬している!
と力強く宣言する彼女の姿に、彼女は自分のことを愛してくれるかもしれない、と
目を輝かせる純真さに、パーシーがんばれ、と応援したくなる。

真実がわかった時、互いに相手を責めず、気づけなかった自分を責めている
まっすぐさも似ている二人が、互いを求めながらも
あと一歩を踏み出す勇気が出ない様子は、とても切ない。

とうこさんのパーシーは、いい意味でも悪い意味でも危うさが無くて、
あすかマルグリットのことも、説明できないゆえに誤解されているが、
話せる時になれば分かってくれるさ、と構えているようにも見えて、
状況を遊んでいるのでは、と思わせる安定感があった。

きりやんパーシーは、ミスターパーフェクトという才能に溢れ、
気高き英雄としての桁外れのオーラを感じさせるのに、
マルグリットに関しては、見ていてハラハラするほど揺れる揺れる。
恋愛に対しては不器用、という言葉通りだと思う。
(ミーマイで彼女が演じたイギリス貴族ジョン卿も、かーなーり不器用な貫き熱愛の人だった)
彼女を信じたい! でも、それは自分が彼女を好きだからそう思うだけかも、
しかし自分の感情に左右されて、仲間を危険にさらすようなことになってはならない。
現に、マルグリットの密告で協力者である伯爵は死んだのだ、と戒め、
自分の揺れる心を必死で押さえている痛々しさがある。

だから、マルグリットが「ひとかけらの勇気」を歌った時、
彼女が全てを知った上で、全身で彼を愛していると表現したことに、
感激のあまりグラパン扮装でいることも忘れて、まっすぐに立ち上がり、
しばらく棒立ちのままでいる。それは頭脳派パーシーとしてはありえないこと。
今までロペス・ピエール達から得てきた信頼を、
一気に失うかもしれない危険な行為なのに、そうせざるを得ないほどに、
彼は妻の愛に感激してしまったのだ。

きりやんパーシーは何でもできる抜群の人なのに、この不器用さがたまらなく可愛い。
いつもより多く回っております、と、くるくるまわっている姿が可愛いだけじゃなくて、
純朴なハートがこの上なく可愛い。

舞台から引き釣り下ろされても、彼への愛を叫んで抵抗するマルグリットの姿に、
パーシーがぐっと涙と感動を抑えている姿も染みる。
自分の選んだ女性は、やっぱり素晴らしい女性だったという安堵もあるだろう。
そして自分も彼女への愛を抑えなくていいんだ、という喜びもあると思う。
熱いよ、パーシー。

この人はくそまじめだ。
だから、愛したと思った女性が、裏切ったかもしれないと思った瞬間に、
自分はスパイを身近に引き入れてしまった愚か者であり、幻を愛していたのか、と落胆する。
疑惑を抱きながらも、彼女を思うと愛しさが募ってしまうので、生真面目に苦しむ。
彼女の言動一つ一つに繊細に反応する。すげなくされれば、スパイ容疑が浮上して悩む。
ショーブランにスカピン団の会合を知らせたものの、
スカーレットピンパーネルを尊敬しているから、危険を知らせに来たという彼女の一言に、
自分の心が求めて止まない彼女を信じたい、と思いを募らせる。
彼女の「ひとかけらの勇気」に彼女の裏切りは仕方が無いものであり、
彼女は全身全霊をかけて自分を愛してくれている、と分かった瞬間に、パワー全開120%になる。

とうこさんのパーシーは才能豊かな、でもちゃらいところがある人が、
正義感もあるので、楽しみながらスカーレット・ピンパーネルをしている、
という余裕を感じさせたが、
きりやんパーシーはくそまじめさんが、正義感に突き動かされて行動している、
そのために遊び人を装っている、と思えた。いつでもぎりぎり限界クライマックス。
とうこさんパーシーの遊び心は天性のものだが、
きりやんパーシーの遊び心は、そう思われるように頑張りましたという痛々しさがある。
(ざっくり月組感想を書いた後、自分の星組感想を読んで納得した。
 とうこさんパーシーは自由だった。きりやんパーシーは彼女への愛をどうしたらいいのか、
 自分の気持ちとスカーレット・ピンパーネルとしての使命、状況にがんじがらめにされていて
 とても不自由でかわいそうだ)

すっごい人が、恋でぐるぐる回っている姿は、そそられるよね~。
愛が受け入れられてパワーアップという分かりやすさも、ぐっと来る。

夫に裏切られたと傷心のまりもマルグリットは不安定で、ショーブランと復縁はなくても、
フランスに帰ってしまいそうな危うさがあるから、
事後話ができそうなあすかマルグリット相手とは違う、痛々しさがここにもある。
(それにしてもあすかマルグリットもまりもマルグリットも、ショーブランのことを、
 特に弟を捕まえられてからは、ゴのつく昆虫のごとく嫌っているのがツボ)

余裕のふりして、冷や汗もちょっとかいちゃった、のとうこさんパーシも、
似たもの夫婦のあすかマルグリットも大好きだったけれど、
飛びぬけてできる人なのに、恋愛に関しては不器用なきりやんパーシーも、
彼を信じられる喜びに溢れているまりもマルグリットも好きだ。
あまりの愛されっぷりに、恒例になってしまった、
霧矢さんの相手役さんが羨ましい、が発動するわ。
互いの気持ちは、離れる前と変わらなかったどころか、
互いの強さ(別の顔)を知ることで、今まで押さえていた愛情が相手めがけてロケット噴射した後は、
隙あらば二人の世界に行きかけるきりやんパーシーとまりもマルグリットに当てられっぱなしでした。
(ショーブランの「夫婦の会話は」とちゃかした台詞が浮かないすごさ)
まりもちゃん、これからもがっつり愛されて、客席を羨ましがらせてください。

再演が決まった時、とうこさんの「ひとかけらの勇気」をCDで聞きながら、
霧矢さんならどう歌うだろうと想像した延長上に、
いっそうでっかく太い形でそれはあって、感動したのです。
(長く声優ファンをしていると、脳内で想像できる)
それよりも、妻に愛されていたことを知り、自分の愚かさを真摯に反省し、
二人のこれからの未来に思いを馳せる喜びの歌、「目の前の君」の方が、
愛しているから、絶対に君を助け出してみせる、という彼の決意と共に、
深く、劇場を振るわせたと私は思ったのでした。


いい物を見た。聴いた。
5月の楽近くに、チケットを取ってもらっているけれど、
それまでにパーシーに会いたくなってしまった。

それでも……。
やはり麻子さんやあいちゃんやしずくちゃんがいない月組は、
越乃組長やそのかさんなどのなじみの顔がそろっていても、
どれだけにぎやかでも、それでも寂しいと思ってしまうのだ。
霧矢さんの早口のアドリブに、
(黒尽くめの衣装で王宮の仮面舞踏会に出ようとするショーブランに、
 オシャレな衣装をお貸ししましょう、と見立てるシーン、
 「今日は暑いから、麦藁帽子に半袖シャツに、半ズボンにスニーカーで、ダサい」だったかな?)
麻子さんと早口の台詞で応酬していた舞台の楽しかった記憶が蘇るのだ。

そして、彼女らの不在に寂しさを感じなくなるころ、
今回お披露目公演をしたトップさんのサヨナラ公演がくる、ということも分かっているのだ。
本拠地お披露目公演で、中日劇場に行きそびれた私は、
新生月組のどっしりぶりにいたく感激して、
おめでとうで頭が占められてはいたのだけれど、
同時にカウントダウンの音もしっかり耳に入ってしまった。

できることは、この限られた時間を楽しむだけだと思う。

*Comment

Another Scarlet Pimpernel 

他のスタイルの歌をここに紹介しますね。ありがとうございます。

http://okimari.blog26.fc2.com/blog-entry-3046.html
  • posted by James 
  • URL 
  • 2013.06/02 02:08分 
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たまり(ょ)

Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

何となくの傾向インデックス
・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
宝塚歌劇感想
・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
リンク先=『麻生太郎オフィシャルサイト』さんスキー♪

チベットを知るために-人権問題(ダライラマ法王日本代表部事務所)

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