お決まりの日々?

モモの節句でございます。

花組大劇場公演『麗しのサブリナ』/『EXICITER!!』

花組大劇場公演『麗しのサブリナ』/『EXICITER!』

本日11時、セディナ貸切公演を観てきました。


『麗しのサブリナ』

 運転手の娘の憧れは、父の主人である大富豪の次男。あまりに熱を上げるものだから、父にパリに行かされるが、洗練された娘に、今度は次男が夢中になる。相思相愛もつかの間、怪我をしてしまって動けない弟に頼まれ、仕事一筋のマジメ男である兄が彼女とデートすることになるが、兄も彼女に恋し、娘の方も兄に心が動いてしまう。
 兄は、娘の心を傷つけないで欲しいと運転手に頼まれ、「なるべく優しく」彼女をパリへ遠ざけようとするが、恋愛の達人である弟が全てを見抜き、兄に彼女の後を追わせてハッピーエンド。
 

 宝塚故のお楽しみ、男役演じる理想の男、ヒロインの不出来なところ、足りないところも、いいと肯定してくれる「大人の男」という言葉に内包される、包容力たっぷりに描かれ、主演の真飛さんがしっかり魅力的に表現されているライナスも素敵なのですが、個人的にはやはりえりたん(壮一帆さん)!

 バカも極めるとカッコイイ。それに、ディビットはバカだけじゃない、愛されまくり、全てを肯定されているバカだ。
 家族に、会社に迷惑をかけても、この上なく愛されているのは、彼に真があるから。
 愛らしいバカキャラだけではない。本質的なところは感性でがっちりつかんでいる。大事なところを押さえている賢さ、強さを感じる人は、男女問わず素敵だ。
 えりたんの演じる役柄に見られる、極められたバカさ、動物的天性の煌めきに、記録に残る選手より、記憶に残る選手になると言った、新庄剛志選手の明るいバカさが浮かんだ。
 新庄選手はバカに見せかけて、非常な努力の人である。ただ、その凄まじい努力を、ご本人が努力と認識されない天分で、苦労知らずのラッキーマンとされているだけだと、背番号63番時代からの、緩いファンである私は思う。
 新庄剛志さんは38歳だけど少年の心を持ち続けている。少年の心とは、私の中では明日を信じられる希望力だと解釈しているけれど、壮さんの演じる役柄にもそれを感じる。
 バカを真摯にやっていられるのも、明日があると思えるからで、人生も後半だ、終盤だと残りを数えていてはできない荒行だ。

 ショーで、一目惚れした女の子に言い寄る変な男に冤罪を押しつけようと、自分がモテモテのいい男で彼女の気持ちが向いていることを掴み、執拗にお尻をなで回す卑劣さでも観客にいやな奴だな、と一分も思わせず、明るい笑いに持っていける壮一帆の明るさと輝きはすさまじ。
(ショーでも芝居でも、大会社の社長の息子、プレイボーイ、だまっていても女の子が群がってくる設定で、他の役も割り振って欲しいと思った。明るいバカとヘタレ以外の役はあんまりない? 味噌汁やホモ修道士も素敵なのに~)

 「サブリナ」でもちゃっかり本質を知る色男、憎めないいい男。
「株のことは分からないが、キスなら分かる」と、珍しく真顔で断言する。
 とんでもない台詞なのに妙に説得力がある。
 なんでそんなに自信満々なんだ。株を扱う会社役員でありながら、株がさっぱりなのを彼は全く恥と思っていない。仕事ができないから、と「どうせどうせ」とうじうじする自己卑下のうっとおしい奴にはならないし、周りも、デイビットはそれでいい、と、容認肯定せざるをえなくなっている。彼の天真爛漫な、自己肯定にあふれた笑顔は、へにゃへにゃと力が抜けたような物腰と、もとが美人さんだから変顔なのに絵になるダイナミックな表情も強烈だ。
 三度結婚を繰り返す「不実」な男であっても、実があると周囲が期待して信じているから、「ディビットの移り気には困ったよ(笑)」と苦笑いされることはあっても、困った奴だと叱られることはあっても、不実だとなじられたり、勘当されることはない。彼は存在するだけでいい男で、周囲は彼が彼であることを喜び、なにも期待はしないし、彼の行動の尻拭いをさせられても、笑ってすましてしまう、とてつもなく魅力的な笑顔の男なのだ。
 そんな奴いるかー!という疑問を、えりたんは、あの100%の笑顔で「僕は僕のままでいいんだ」と、彼自身が疑問すら持たない自己肯定、「自分大好き」な強さで周囲にも押しつけ、ファンタジーなのに舞台上に現実として成立させるのだから恐ろしい。
 自由が利く二番手なのに、天真爛漫バカか、明るいヘタレと役柄が限られているのは勿体無いと思うけれど、この長所を伸ばしていったほうが、とてつもないことになるんじゃないかと、脚本家や演出家に思わせてしまうものが、彼女にあるのかもしれない。

 また、えりたん演じるディビットが、不実なプレイボーイには見えないのだからすごい。
 父の弟嫁への忠告を思い出した。
「こいつ(弟)は俺に似ているところがある。こいつの浮気は本気だ」

「僕はドンファンじゃない。理想の女性を求めるロマンチストだ」
とディビットが歌うように、ディビットの”浮気”は、本気。理想の女性のタイプがころころ変わるのも、彼が「理想」を自分の中で形にできていないから。素敵だと思ったら、理想に上書きされてしまうだけだと思う。
 だから、見違える圧倒的美しさでパリから戻ったサブリナに対して、ディビットはアバンチュールではなく、まっこと誠実に本気で夢中になり、婚約者が居るというのに、結婚したい、今すぐしたいと大はしゃぎ。親に決められた婚約者との結婚は、縛られたくないと伸ばし伸ばしにしていたのにね。
 (ディビットの理想の「上書き」は理解でき愛せるのに、どこかの国の“理想の「上書き」”元・首相が許せないのは何故なのか、それは、演じ手がえりたんでないからだと断言できるほどに、壮一帆は特殊である)

 逢引に使うシャンパングラスをスラックスの尻ポケットに仕込んだ状態で、両親にとっちめられて、仕方なく腰を下ろしたら、グラスは粉々、お尻に大けがを負ってしまう。その間抜けな様も、叫び声の変顔も、しょげている様子も愛らしい。
 絶対安静の静養を強いられたディヴィットは、美しいサブリナの気持ちを彼につなぎ止めておくための代役に、彼の美男ぞろいの友人達でなく、多忙の兄、ライナスを選ぶ。彼の美男そろいの友達にはふらない。だって彼らは信頼が置けないから。
 女に無関心に見える唐変木な兄なら、そして、彼を愛してやまず、何でもやってくれる兄なら、僕が夢中になっている女性とイイ仲にならないという絶対の安心と、カタブツ兄と過ごしても楽しくないだろうしなとのおまけの安心気分で、多忙極まる兄に、サブリナの相手をお願いした。
 関係ないが、ディヴィットの遊び友達や取り巻き、チームディビットは、顔で選んでいるのかと思うほどに、美男美女ぞろいだ。対してライナスの周囲は食えなさそうなおっさんばかり・・・・・・。

 しかし、ディヴィットの計画通りにはならなかった。
 サブリナは、子供の頃から強く抱いていたディヴィットへの恋心を、パリに頭を冷やしに放り出されても忘れなかった恋心を、ライナスの優しさを前に、そんな気もなく忘れてしまっている自分に気づいて苦しむ。
 どうか私の心を、あなたにつなぎ止めていて。ライナスのことばかり考えてしまう私は、過去の私と断絶してしまう、だから、とディヴィットに、キスをねだった。でもかわされて、自分から抱きついた。
 ディヴィットからは、動じない思いが伝わってきた。だから、自分で、もうライナスには会わない、と決めた。でも旅立つ人との約束をすっぽかすのは後味が悪い。せめてもとライナスに電話をしたら、彼に見つかってしまい、彼のテリトリーに連れ込まれた。混乱をぶちまけ泣いてしまった後、彼が二人の旅行を計画していたチケットを見つけて喜んだところを否定され、彼が自分をやっかい払いするつもりだと知った。サブリナは一人で旅に出るとチケットを受けとった。荷造りをしているところに現れた弟、ディヴィットに、兄弟へのお別れを込めて、キスをした。

 ディヴィットの計算違いだったのは、ライナスも同じ。
 男性向けマンガで鈍い女の子がかわいいとされても、女性向けでにぶい男性は罪。鈍くささがかわいいと思われても罪は罪。
 彼女と数日を過ごしたライナスは、デイヴィットではなく、ライナスと一緒にパリに行けると喜んだサブリナの気持ちを全く理解できなかったが、ディヴィットは一度のキスで全てを悟った----彼女の心が彼にないこと。彼女が彼らの元から立ち去ろうとしていること。
 だから、ディヴィットは(女性向けヒーローとして)格好良い、都合がいい。 

 ライナスが、サブリナのことを好きだと気づいた後も、「私の弟には美しい恋人がいる」「私は弟になりたい」と混乱のままに口にしたに留め、彼女に兄弟どちらが好きか選択を迫ったり、彼女の意に反する(と彼が思った行為に)及ばなかったように、ディヴィットも彼女の気持ち第一に動く。
 せっかく見つかった「理想の女性」なのに、一度のキスで彼女の心変わりと真意を見抜き、兄が敷いた「ディヴィットの気に入らない政略結婚をぶちこわす」路線には乗らず、好きな女性の幸福を願って、兄を送り出すから、女性に都合良すぎる夢物語と揶揄されても、格好良いのだ。取引の締結の場で、女性を追いかけて飛び出した社長という場を収めるなら、取引先の銀行(さとうきび)娘と結婚しかなさそうなのに。まあ4度目の離婚にすぐに持ち込みそうだけど。
 サブリナの件で自分は兄に負けたんだ、と潔く負けを認めて、勝者を祝福する様が、恋愛武道の達人のようで格好良かった。

 ディヴィットが、一度のキスでサブリナの心変わりを知ったように、サブリナは、最初のキス、「ディビットからのキスだ」とされたライナスの口づけで、言葉より鋭敏に彼が、いい人、優しい人だと感覚でつかんでいたと思う。まさか、弟が兄に間接キスをお願いするはずもなく(そんな兄弟は嫌だし、宝塚歌劇っぽくない)、ライナスの自然な気持ちの高まりの延長にある行為であり、サブリナも彼の好意を感じ取ったから、ひっぱたくこともしなかった。
 だからこそ、その後の役代わりデートにも、安心感と共に乗ったのだろう。クリィミーマミの主題歌ではないが、「好きと嫌いだけで普通がないの」が女性だからなあ。そして(心のシステムがクリアーに動いていたら)やたらと鋭敏だったりもする。


 でも一番ラブいのは、主演カップルでなく、背のバランスもばっちりな秘書カップルだ。君たちが早く結婚式を挙げたまえ!
 あのまじめな顔ゆえ印象に残る不思議ダンスが、『LUNA』のヘッドフォーンをつけた腕まくりシャツでベストの人のダンスを思い出して、ツボに入ってしまう。

 蘭はなちゃんは初々しく一生懸命でかわいいけれど、元映画のヘップバーンの印象があるから損をしていると思う。ローヒールでは、腰高イメージの演出が難しく、猫背ぎみの姿勢もあって子供っぽくなってしまう。
 ハイヒールでまっつさんによりそう一花嬢は、仕事もできるめっさいい女に見えるもの。
 足フェチとしては、足指の形を損ねるハイヒールは嫌いなんだけれど、見ている分にはきれいだ。(私も若かりし時分、ヒール靴で小指にかわいそうなことをしてしまいました・・・・・・。サンダル履きの女性に見られる、長年の抑圧に変形という自衛手段で耐えている小指さんの姿を見る度に、自分の丸くなった小指を見る度に、心を痛めております。すんなり解放された小指は美しいと、主張したい。小指はいらない子ではない、飾りではないのだぞ)
 でも見ている分にはきれいなハイヒール。女性の足をスタイルを美しく見せるための装置というのは、本当だなあと思う。
 だからこそ、より綺麗に見せる舞台で履かないのが、勿体無い。
 ハイヒールを履いて、それでも寄り添う気持ちで、うっとり惚れ込んだ目線で相手役さんをグーンと大きく素敵に見せるんだ! それこそ娘役芸!
(U先輩は、遠野あすか嬢の芸を褒めてました)

『EXCITER!』


 ショーは、再演。
 だけれど、初演が『ベルばら』それも外伝にくっついていたので、植爺の趣味爆発の外伝なんて見られるか!とスルーしていたので、見るのは初めて。
 職場同僚が、藤井君のファンにつれられて今公演を見に行ったと聞いていたけれど、再演するほどの名作かしら?
 ジャパニーズ・ロックという感じで、統一感のある、悪い言葉で言えば、どこを切っても同じなショー。
 U先輩は「安心の藤井先生」と評されたけれど、一定のものを出してくるという点では、私は三木先生の方が上だと思うし、こぉの~オタク野郎!「わかる~!」と正直者の頭をぐりぐりしたくなる(すみません)点では、サイトーヨシマサ(ブランド名なので敬称略)に軍配を挙げたい。サイトーくんのは、悪趣味だと私に映るところでも、「分かる」からイヤではない。
 何事も、えりたんのオバカきゃらも、マッハ全開で突き抜けると、その強さで格好良くなる。
 えりたん、歌が上手くなって、と思ったら、歌い継いだのがまっつさんという悲劇は、可愛そうかわいいので、もっとやれ、と思ったけれど(えりたんのヘタレ全開っぷりなところも大きな魅力)、まっつさんは雪の人になってしまうのだった。ショーでも一花ちゃんと仲良しで、このコンビがもう見られないのだと思うと、やたらと悲しい。
 その点、ちょっと前まで、やたらとギラギラしている人がいて、目にうるさいと思えば、やはりみわさんだった、と楽しませてくれていたみわっちさんがおとなしく見えたのは寂しい。
 はっちさんの押し出しの強さは芸だ。みわっちさんにもっとギラギラしてほしい。
 まっつさんは やたらと目つきが印象的な、(雰囲気が)漆黒の人がいる、目立つ、と判別できてきたのに、トップ娘役によっては、捨て組になる雪組に移動になるので、上にも書いたけれど気持ちが落ち着かない。ベルばら2001から、目を細めて見ていた水さんの公演は、白羽さんから相手役が変わってからは、結局一度も見なかった。

 藤井先生の歌詞は、言葉の語感や勢いに任せた感じがする。詩として取り出すと、成熟していないという感じを私は受ける。それが、若さと魅力的に映る方もいるだろうけれど、「ムーンライダーズ詩集」を買っちゃってそらんじているような私には響かない。日本語は語勢だけじゃなくて、もっと状況が自然と浮かぶ、リリックなものであって欲しい。

 なんとなく、96期が出ていそうなシーンは拍手の気持ちが沸かなくて、省エネ観劇になりました。

 雪組『ロミオをジュリエット』貸しきり公演の申し込みも、ダブルキャスト娘役の日程が決まらない限りは申し込まないし、研一でないほうの人を応援したいと思います。
 夢を見に行っているのだから、実像がどんなにドロドロでえげつなくて汚らしくても、それを全て綺麗な化粧で覆ってくれる才能があればいいのだけれど、そこまでの技量があれば、北島マヤになっているはずだ。
 素顔はタヌキ(と原作者に書かれても)絶世の美女、春の王女に見せた北島マヤの能力が、監禁メモ華あみさんにあるならば、ヒロインを演じた文化祭や新人公演は「舞台荒らし」状態で、全ての場の重力をののすみさん以上に取り込んだでしょうが、そういう話はちっとも聞かぬ。

 U先輩は、お披露目公演では、トップさんの相手役に、新トップさんファンから冷たい目が注がれるものだけれど、Wキャストのメモ華さんじゃないほうの人には、初めからファンの応援がついているみたいなものだから、ラッキーかもとおっしゃっていました。なるほどなあ。
 読売新聞は絶対買わん、読売と書かれたものは家に入れん、と突っぱね続けているアンチ巨人の身内を見るに、アンチという力はバカにできないと思わされました。

 首位阪神が巨人に3タテ喰らって並ばれてしまったので、「猛虎お見舞い申し上げます」の葉書きが出せないと、悔しい思いの今日この頃です。三連勝したらすぐに出したのに~!

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たまり(ょ)

Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

何となくの傾向インデックス
・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
宝塚歌劇感想
・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
リンク先=『麻生太郎オフィシャルサイト』さんスキー♪

チベットを知るために-人権問題(ダライラマ法王日本代表部事務所)

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