お決まりの日々?

モモの節句でございます。

老いも若きも皆走る

 話には聞く、岸和田だんじり!
 勤め先から見ることができますよ、毎年多くのお客さん(会社取引先)が来ます、とご好意を頂き、特等席から見せてもらった。

 やはり岸和田。私は大阪人だと思っていたのだが、大阪の常識が全く通用しない。岸和田は大阪府下であっても独立国、独自の風習やルールのもとに統括されていると、宝石商の方より伺ってはいた。しかし見事に「百聞は一見にしかず」だった。

 だんじりギャラリーを作って、関連企業の接待に使うために、このビル(現職場の一つ)を作るなんて、発想は私にはないよ。

 一階はギチギチつめつめ設計なのに、二階はゆったり。変わった設計のビルだなあと思っていた。その理由が、地階、一階と同じ大きさの床面積を持つ二階の、普段の区切りが全部撤廃して、ワンフロアーにするため(給湯室とトイレはある)。さらに、すべての窓が取り払える構造になっている。
 それは二階を、身を乗り出してだんじり見物ができるギャラリーにするため。このビルは、取引先を招いてだんじり見物をするために作られた、疑いなく確信になるほどの徹底ぶり。何よりだんじりが優先されて当然という空気は感じていたが、ここまでの思い切りにはすがすがしい美がある。

 お客様は、赤ちゃんからご年輩の方まで。ぎっしりと解放された窓があったスペースに集まる。部屋の後方は大きく余裕があり、そこには大きな氷が浮かんだ、ドリンクボックス(オープン)が置いてあり、それより立ち上る冷気を、巨大な扇風機が、窓側にフル回転で送り出しているというのに、めちゃ熱い。
 扇風機同様、普段見たことのない椅子がずらりと並べられている。それぞれに所属が張られた椅子が、かなり遠方の会社施設から運ばれていることもわかったりする。

 本社会長は朝三時に現場入り。四時半には、窓ガラスを取っ払い、準備をしたとのこと。つぎ込まれた人力と情熱を感じざるを得ない。
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 窓からクラッカーを放つ

 パレードが終わったら、お客様の大半は(たぶん、好みのスポットに、または参加のために)移動されたようだが、私は別仕事を終えてから来るという同僚を待ちつつ、会社関連施設の方の手作りおでんを頂いたりと楽しんだ。
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 パレード後は、ゆったりと見ることができる。

 新調された染め抜きのそろいの法被、地下足袋、Tシャツといった、晴れ着。撒かれるタオル。これら特異な性質をもつものは、もちろん!中国発注ではなく地元特注品だろうし、タオルも名産泉州タオルだろう。特大クラッカーにも信頼の「日本製」。こんな大事なときに、二級品になんて使えるか!という気合いを感じるそれを、惜しげもなく、大量に消費する。
 だんじり第一が岸和田国のルールなので、本番にはもちろん休めないとダメ、試験曳きも練習日も、時間がとれる勤め先でないと難しい。となると、理解ある地元企業を選ばざるをえないらしい(私の勤め先の常勤さんは、すべて地元ティー)。
 当日だけでなく、練習の後の飲食は、もちろん地元。(職場ジモティーの行きつけのスーパーは、泉州産野菜がずらりと並び、魚も近場から来ている) 地元企業からお給料をもらい、地元にお金を落とす。
 加えて、だんじりに対しての消費性向は極めて高い。(出入りの宝石卸業者を値切って泣かせても、寄進は絶対ケチらない。ケチるなんて非常識らしい。)
 岸和田では、だんじりのため、とじゃんじゃんと潤沢に使われたお金が、だんじりの勢いで「走り回っている」。消費性向が高いため、景気対策としてもばっちりなんじゃないか??
(だんじりが通れるように、高いアーケードを持つ商店街は立派だ。この特殊な工事も、かゆいところに手が届く地元に発注したと思う)
 経験豊かな年長者を中心にした、町内に存在する見事なピラミッド。集合体としての町どうしのつながり。私の身の回りでは希薄になっている濃厚な縦横の人間関係がみられる。地域の人が自分のことを知っている、こういう環境では、ズルは発生しにくいのだろうなあと思った。(逆に恨みも、地域全体にまで引き上げられるだろうし、集団熱狂が発生する土壌だから、周りの人が助けに回ってくれる場合はいいが、追いつめる側に回れたときには、出ていく以外には難しそうだと思う) 
 希薄に慣れてしまった今の自分に、正直うっとおしいと感じる部分がないわけではないけれど、それでも憧れがある。嫌いじゃない。冷めた身でも熱狂の中に身をおけば、周りの熱を自分のものと勘違いできるのか、自分(と認識している)以上に熱くなれる。心の冷え性も、温められたその時は忘れてしまいそう。その熱気が、心地よい疲れと共に残った身体は、熱気を求めてその方を向くから、次第に人生を楽しめるようになっていくのではないかしらんと、夢を見た。

 岸和田にいると、岡本太郎の原始的な祭りの写真を思い出す。画像よりかなり近代的だけれど、そこにある熱狂、精神には共通する部分があると感じる。

 老いも若きも皆走る。一つの思いで集結した力、熱気。祭りの度に、自分の一年の生を実感する。祭りに情熱をぶつけ、跳ね返された大きさで自分の情熱を量る。地域の一員であり、自分も他者も助け合って協力しあって今日を迎えられたと確信し、自己の存在と他者の存在を確認しあい、感謝しあう。今回で終わりではない。祭りは来年もある。明日からは来年の祭りのために生きる。夢中になれる何かがある、それを隣にいる人たちや大勢で共有できるというのは、(それを受け入れられる人にとっては)とてつもなく幸せなことだと思った。

 帰り道の月。
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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
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『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
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