お決まりの日々?

モモの節句でございます。

花組『愛のプレリュード』/『ル・パラディ』(その2)

その1からの続き

=個人的にどうしても突っ込まずにはいられないポイント=

<ジョセフ純愛物語>

主人公の考え方が、残留銃弾の影響か普通じゃないように思え、
クエスチョンマークが乱舞するお話では、感情移入が難しく、
理解できる(分かりやすい)人に気持ちが流れます。

単純で分かりやすさ一番なのがジョセフ(男の元パートナー)。
心根が綺麗で、お育ちもよさそう。
納税協会(?)にクリーンなイメージと認められた、えりたんが演じているからか、
余計にそのような健全感が漂っています。。

彼が「金」を求めるようになったのも、親友を意識不明にしたような「悪」を、
親友の分まで追い詰めたいと燃やし滾らせた正義の炎を、「金の力で」踏みにじられたから。
まっすぐすぎる不器用な彼の行動には、分かりやす過ぎる理由がある。

お金が大事、と繰り返しても、あくどい商売には手を出さない、
という良心と、品が透けて見えていたからこそ、
今のパートナーや仲間たちが、彼のために命を投げだせるほどに、
信望していたのだとわかる。根がとっても優しい人なんだと思う。

ジョセフは、主人公を守るため、迷いなく銃弾に彼の命を晒すのだけれど、
健康に不安がないジョセフが、明日をも知れぬ命の主人公の身代わりになるのは、
コストパフォーマンス的には愚そのものだ。
愚に迷いなく飛びこむ理由と、
ジョセフは、主人公がいない人生は、自分の人生じゃないと価値を見いだせないほどに、
主人公に入れ込んでいるからだと、説明がある。
正義を追究したのも、それを望む主人公の役に立ちたいと願うからだし、
大好きな人とともに歩く自分、という設定に生きがいを覚えていた。

主人公はがちがちのノン気だし、ジョセフの思いも『魂の結びつき』レベルのようなので、
恋人関係があったとは到底思えない。
幻想のシーンで、しかと抱き合っているシーンも、両者の健全な個性ゆえか、
高校野球漫画で、勝利の喜びでバッテリーが抱き合っているような爽やかさで、
二人に当てられるスポットライトが、ハート型に見えるような重なりを見せても、
健全そのもの。この(妖しい)色気のなさが、彼女の芳しくない評価につながっているのだが、
それを大変好む私としては、この部分は残しておいてほしい、
(薔薇的な)色気はオプションで!と願っている。(霧矢さんも妖しい色気が似合わない健全な持ち味)
『マノン』でも、報われない誠実ホモを演じたえりたんなのか、
えりたんが演じるから妖しさがぶっ飛ぶのか分からないけれど、
こういう役が似合うのは、面白い個性。故・鳥羽笙子さんの『悪魔と踊れ』のクリスさんみたい。
(クリスさんもアホ。ノン気の美貌神父に恋して、彼のために頑張ろうとキリキリしている様が、
 非常におかわいらしい)

己の人生を、相棒のかなえられなかった夢に注ぎたいと願う、
それが金の力で阻害されれば、ぐれる。(元来の品格が邪魔して、野卑や外道にはなれない)
相棒がいない人生は、死んでいたと同じ。
それほど、魂を奪われている相手がいる状態で、ヒロインを愛せるとはとても思えず、
可愛い少女と慈しんではいただろうけれど、恋人のポーズだったのだろう。


<不思議な病状>

それにしても分からないのは、主人公の脳に残留する銃弾に起因する症状と、
それに対する主人公の考え方である。
しばらくしたら治るそうだが、
いつ倒れるかわからないのに、いつ手がしびれて持てなくなるか分からないのに、
要人のボディガードを、高額報酬で引き受けるの?
無責任と思わないのも、脳にある銃弾のせいだとしても、マネージャーもどうでもいいと思っているの?

手の症状も、発明完成パーティの前日にはワイングラスを取り落す状態だったのに、
翌日には、重そうなカバンをしっかりと握っている。
同日銃も握るけど、突然、手の力が抜けて取り落す。
脳の中をぐりぐり銃弾が動いているゆえ、不安定にもほどがある症状になっているのか、
都合のいい病気なのか、まったくわからない。

親友の死に逆上した主人公が、駆け付けた警官に
「金に汚いお前らのせいで、ジョセフは死んだ!」と逆切れしたり、
発明家を「金より大事なのは命だ!(ジョセフは死んだんだぞ!)」と殴り飛ばしたり、
頭に残留している銃弾のせいか、かなり自己中心的で危ない精神状態にあるようだ。
(万全を期せない身のうえで、単独ボディーガードを引き受けられる無責任感といい。
 せめてマネージャーをサポートに付けろ)

価値観は人それぞれ。表に出されている言葉だけで分からないのは、
「金が何よりも勝る力だ」と主張したジョセフが、主人公のために命を投げ出した行為でも明らか。
また、発明家視点では、ジョセフは発明品を盗むために、娘に近づいた犯罪者。
娘を傷つけ、人質に取った犯罪者の生死より、
開発費用と時間をつぎ込み、手塩にかけた世紀の発明が無事か気にするのは当然。

発明品を人殺しの道具にしたいと、ナチスがもちかけた高額取引に発明家が応じるのなら、
殴り飛ばせばよろし。
自分の発明が、医学の進歩に大きく貢献する&そのために利用する企業から大金がくる、
それを資本に、また人類の役に立つ発明をするぞー、の気持ちであるかもしれないのに、
「金」といえば、汚いと問答無用でぶっ飛ばす主人公はオカシイ。
残留銃弾が彼を操るようにささやいているのでしょうか(苦笑)

心変わりを表現するための「技法」とはいえ、お酒が飲める年代で、婚約者もいる女性が、
キャンキャン、文字通り「子供みたいに」喚き散らすのは頂けない。
物語前半は、キャンキャン&金、金、金で大層聞き苦しい。
キャンキャン→恋をして、しっとり~と代わりました、と、
化学反応させられた物体じゃないんだし、また一応、宝塚歌劇のヒロインなんだから、
はねっかり度も『青い鳥を探して』の舞風りらさん演じるヒロイン程度であってほしい。

突っ込みどころがありすぎる芝居は、疲れる。
せめて勢いがあれば誤魔化されるのだけれど、
「僕がかっこいいと思う主人公」の数珠つなぎオンパレードでは、勢いは難しい。
原作や誰かの監修をつけるかの処置が必要だと思う。

故郷、サンタモニカの海からの風のように、
5年ぶり(?)に帰ってきた男から、人々は爽やかな風を受けた。
風は人ところに留まることはない。
気持ちよい風に、確かに心を揺らした人々を置いて、風は去ってゆく。

……って、ちょっと前(?)の♪かーぜーのようにー 自由に生きりゃの
ジプシー男爵?
(バリンカイ@ジプシー男爵は、自分の行動の責任を自分で取ろうとするが、
 本作の主人公フレディは、華麗に逃走だからなあ……)

ソフト帽をヒロインにかぶせて、去っていく主人公に、
ルフィーとシャンクス(@週刊少年ジャンプ掲載中『ワンピース』)の名シーンが被って、
別の意味で泣けました。(「ジャンプ」と宝塚歌劇、合わないにもほどがある……)

役者はそろっているので、シンプルで力強い物語が見たい。
(年季の入ったメイドさんの一花ちゃんの芝居心は、私の好みど真ん中ストライク!
 GOGO一花! 相手役の執事さん(真野さん)もかっちり美形で安心キャラクターでした)

劇団四季のくっきりしっかりな発声法は、わたしにははっきりしすぎて不自然に聞こえるのだけれど、
今日見た花組は、逆に台詞の終わりを飲むように喋ったり、
重要な言葉が聞き取りにくかったりで、もうちょっと滑舌が明瞭なら、
もっと聞きやすいと思った。それが気になった理由の大きな一つは、
脚本が、話になっていないからだろう。話に入り込めないから、余計なところが耳に、目に付く。


=ショー『ル・パラディ』=



副題が「聖なる時間」。
まとぶんさんがあったかく歌い、歌唱力をつけたえりたんが、えりたんビームをとばし、
みわ(っち)さんが美輪さん?と戸惑うほどの安定感で魅せる。

私のキューティ、一花ちゃんは今回も素敵だv

トップさんは、「愛をありがとう。忘れない、ずっと愛してる」と繰り返し、
組子さんは「太陽のような真飛さんを敬愛しています。大好きです」と
我らがトップスターをたたえる。

宝塚歌劇らしく、退団者にはきっちりと見せ場をつくってくれる。

これらを非常にスピーディの流れの中で、洪水のように流す。
華やかにめまぐるしく変わる舞台で、状況を変えては繰り返す同じテーマに、
真飛さんの代表的なショーとなった、藤井くんのヒット作『EXCITER!』二作を思わせる、
シーンを入れて、集大成のような感じを思わせる作り方に、
藤井先生の座付き作家としての才能の素晴らしさを見ました。

サブリミナル効果のように、重なりがじわじわ効いてくる。

しつこいんだけれど、それがいい。
だって、退団作品なんだもの。くどいぐらいの華やかさ、にぎやかさで、
いいスターさんだという思いで、見送りたい。

綺麗だった。
えりたんスキーだけれど、真飛さんのカラーもとても綺麗だと、素直に思えた。
まとぶんとえりたんのコンビは、健全友情コンビで、ほほえましかった。
蘭トムも大好きで、トップになってほしかったけれど、
あさきりバトンのように、まとぶんからえりたんへの引き継ぎを見たかったなあ。

フィナーレのあの濃ピンク羽根&スパンコール衣装にも負けない美貌ビームを飛ばすえりたんに、
トップさんが持つ、今回のとんちんかん芝居でまとぶんさんが発揮した、
ぶっ壊れている気持ち悪い脚本でも、強引に魅力的な登場人物に見せ、
客を泣かせる「宝塚歌劇力」が不足しているのも、ひいき目に見ても事実なのですが。
(蘭トムには宝塚歌劇力が十分あるので、彼女がトップとして、蘭トムワールドを
 展開してくれるのは楽しみです)

ロケットの中央の方の脚が細すぎて、ああいう衣装はある程度の肉付きがないと、
年端もいかない子供にやらせているような(もしくはご高齢のため肉が削げてしまった方か)、
見てはならないものを見てしまったようで、いたたまれません。

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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

何となくの傾向インデックス
・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
宝塚歌劇感想
・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
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