お決まりの日々?

モモの節句でございます。

月大劇千秋楽

大川の桜も満開になり、花乃みちの桜もまた、そして舞台の上も満開の、
良い千秋楽でした。


『バラの国の王子』

二回目観劇で、(見る側の)力の入れどころも分かり、
見終わった後花見をあきらめたほどに疲弊した前回よりは楽だろう、と思ったけれど、
このような状況下で、本日千秋楽を迎えられた、という安堵に
主演さんのセーブがとれたのか、前回以上に巻き込まれました。

声だけで登場するシーンも、音響の技術もあるのだけれど、酷く怖い。
商人やベルが怖がり、家臣たちがびくっとなるのが納得させられる説得力。

怖いのだけれど、子供みたいなかわいらしさがあり、
ベルを好きになってしまった「勇気がない」思いにドキドキする。
この人を傷つけたくない、傷ついてほしくないと祈るように願わされる(先を知っているのに)。

二回目の野獣は、綺麗に見えたのも不思議。

自他を遮るドアを開けられ、王子(野獣)の気持ちに共振させられる。
彼女は恐ろしい役者だと思う。
こうまで圧縮された感情を、コントロールして発せられると、
すごく苦しい。息をするのを忘れるほどに、切なくて壊れそうになる。
今日の席は劇場の真ん中あたりだったが、
客席が舞台とひとつになったように、客席も息をのんで集中しているのが分かる。
私が泣いていると、隣の人も後ろの人も同じように泣いている。

彼女の思いが劇場全体を支配している。
彼女の心に揺さぶられ、振り回される。

この思いは『夢の浮橋』の時に似ている。あの時も大層苦しくて、疲れ果てて、
休憩時間にずっしりと沈んでしまった。(ショーで復活した)

『スカピン』には、苦しい心の歌があったけれど(♪君が~何をしようとも~構わない)、
その後、ぱああ~と心が晴れ上がる♪目の前の君があったし、その後のハピハピ時間も長かった。
それにパーシーは愛を大切にしている人であったけれど、
リーダーとして団体を率いている、社会生活を立派に営んでいる大人で、
マルグリットが生活のすべてではなかった。
でも、王子は、ベルの愛がないと死んでしまうような純粋で心弱い人だから、
否定された時の嘆きは、ほんっとうに辛くて痛かった。
自分が愛しているのと同じように、相手も愛してくれていると分かった時の、
喜びの歌が無いのもしんどい。
ベルに愛されているとわかった喜びと、魔法が解けた喜びがごちゃまぜになっているのも(作劇的に)、
その前の絶望の深さに(客席の私が)引きずられてしまう要員かな。

壮大な姉妹げんかでした、みたいなオチも、主演二人の相互理解の喜びを減衰させていると思う。
(動物になりたい、とともに願った二人だけれど、言葉を媒介にお互いの思いを確かめれる
 人間で良かった、人間でいたいという気持ちも)
王子の喜びは、ベルに愛していると言われて、飢え死にしそうだったのも忘れた、
という台詞で立たせているのかも知れないけれど。

王子とベルがラブラブカップルになれたのを、動物から元に戻った家臣たちが、
にこにこ目を細めながらよかったよかったと見ているのは分かるのだが、
前王に「あんた嫌い」と反旗を翻したアンリが、花のように笑っているのが不思議可愛い。

舞台の上では仙女と人間との間にできた赤子が、結婚したいと思う年頃まで成長しているのだが、
呪いの間は仙女じゃなくても年を取らない設定なのかどうかはしらないが、
(野獣に変えられたときから王子も家臣も、年齢を重ねたように見えない)
年齢関係が分からん。

野獣と暮らしたあなたと結婚したいなんて男はいない。
嫁に貰ってやる私の寛大さに感謝しろという王様の台詞は、二回目も気持ち悪い。
トラやライオンと暮らした女性が結婚できない、という話ではない。
王様の発想は文字通り獣以下でキムシン色だと思った。

仙女たちの描かれ方が、
自分の正当性を巡って、見苦しい争いを繰り広げる権力志向の強い
「英雄」(『暁のローマ』とかね)たちや、
それぞれの正義をかざして戦い、相手を負かして「それ見たことか」と勝ち誇る、
キムシンの作品で描かれがちな「国家」(『王家』)ににて、
ホンっとこの作家さんとと私の感性はかけ離れていて、
俺様の素晴らしい価値観を教えてやる、という作風が苦手なのだと思いました。
劇場で、なんか気持ち悪~が家に帰って時間がたてば、うげーっとなるから
始末に困る、とDV被害者の手記と、「しつけ」と称してDVを繰り返す加害者の言い分を読みながら、
嫌悪とともに思い出したので追記。


ショー『ONE』
110411_moons.jpg

本公演で退団する二人には、コサージュが付けられ、スポットライトが当たる。
先日、藤井先生やオギーは退団者に優しい(オギーはファンも生徒も泣かせすぎじゃ)が、
草野センセはどうもねーーという話をしていたのだが、
それでもスポットは優しかった。照明さんありがとう。

今回千秋楽を見ようと思ったのは、そのかの見おさめ!という気持であったのだが、
主演さんが出てくるとそっちに目が奪われてしまう。
めっちゃかわいらしい笑顔で踊ってはるんやもん、逆らえへん。
もちろんそのかも大層素敵であったが、それだけが後悔。

「ありがとう」の歌が胸に迫った。
主演さんは本当に気持ちを歌に乗せるのが上手い。

千秋楽の私の夢は、
「私の夢は、野獣ではなく美女になることです」
と綺麗すぎるオチだった。美女なのは知ってます。
ペルソナのイメージキャラクターがかわいらしくて、カード会員になったんだもん。
美女な霧矢さんが見たくて、『GUYS&DOLLS』のチケット採ってもらっ
(て、アデレイドちゃんにも満足したが、ビッグ・ジュールに嵌っ)たんだもん。
宝塚歌劇以外の世界でも、かわゆいアデレイド路線でバンバン活躍できそうだが、
この「宝塚歌劇が好き、愛してます」とタカラジェンヌに歌わせるこのショーで、
誰よりも幸せそうに、寒い歌詞を、満面の笑みで歌っていた霧矢さんは、
本当に、ほんっとうに、宝塚歌劇が好きなんだなあと伝わった。

他の何よりも愛する宝塚歌劇の舞台で、
彼女は誰よりも激しくそして軽やかに踊り、誰よりも豊かな声で劇場を包み込んでいた、
見事な彼女の舞台で、圧倒的な主演だった。
(『Endless SHOCK』の堂本ぴか一さんを思い出したのは内緒だ)

退団者あいさつで、組長さんがお手紙を読みあげる時、
その役も見たよ知ってるよ、というものが、多くてグッときた。
お二人に、たくさん楽しませてもらったんだなあ。ありがとう。

順風満帆ではなかった。何度もやめようと思ったことがあった、というそのかの挨拶も、
不可解な人事だろうか、と劇団の腐敗した部分を思わせた。
まっつがお花を渡しに登場したのも嬉しかった。
苦しい時に支えてくれたのが、同期だったのだろうと思うと、96期の陰湿さが残念でならない。


主演さんあいさつで、初日の前に東日本大震災が起こって(起こったのは休憩時間中?)
キャンセルが相次ぎ、空席の目立つ客席を前に、
こんなときに舞台に立っていていいのか、公演を続けていいものかと悩んだ。
しかし、お客様が戻ってきてくださったのに後押しされて、
こんな時だからこそ、精いっぱいの舞台をお見せしようと思った、
というようなことを言われていた。
東京は薄暗いらしいですけれど、この(明るい)舞台を持っていくとも。

先日感じた悲壮感は、舞台に立っている皆さんの中にあるものだった。

組長さんも主演さんも、義捐金がたくさんたくさん集まったことに触れ、感謝の言葉を述べた。

カーテンコールが何度かあった。
月組恒例のジャンプ、といいながら、グダグダになっていく主演さんは、
挨拶で気持ちが高まり、気力も使い果たしてしまったのだろうか、その一生懸命さが愛おしい。

歌でお別れの時に、ステップを踏みながら誰よりも乗り乗りだったのが、
大きな羽を背負ったまさきさんだった。羽根もゆさゆさ揺れる~~。
納得の美貌だし可愛い人なんだけれど、二番手としてもうちょっと個性(?)が欲しい。

麻子さん、かなみちゃん、きりやんの月組で『バラの国』を演じたら、
野獣がトート閣下ばりに美しいことはさておき(これでも今の主演さんスキー)、
王様がもっと面白い役になっていたように思う。
『エリザベート』で霧矢フランツに同情してしまい、シシィに腹が立つほどに、
魅力的な人物に作り上げられていたように。

座長公演にしちゃわないで、もうちょっと二番手として絡んでくれ~~。


帰宅途中で雨がポツリポツリ。
良い出でもあることを祈りながら、大川の桜を眺めた。
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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
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