お決まりの日々?

モモの節句でございます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

全ツ(梅芸)『黒い瞳』/『ロックオン』(その1)

本日18時公演を見ました。


『黒い瞳』

自分よりも大切に思える素晴らしい人がいる幸せ、そのために各人がとる美しい行動に、涙しました。

自分が大事じゃないから他人にすがって自分の存在理由を得ようとするのではなくて、
自分はもちろん大切にしているけれど、その大切な自分を投げ出しても、
守りたいと強く願える素晴らしい相手がいるということ。
相手とは偶然に出会えるかもしれないけれど、そのように思える心がその人になければ
成立しないし、この物語のように、たがいに同じような大切さを相手に思えるなんて、
本当にすごいことだ。だからこそ、壮絶に美しい。


主役、ニコライは、赴任先に向かう途中で出会った、上官になるかもしれない相手を、
ビリヤードで負かして、酒をおごらせる世間知らずのおぼっちゃま。
外見や物腰から、育ちの良さを感じさせる。
疑うことを知らないようなまっすぐで、爽やかな彼には、
負かした将校らからも好感をもぎととってしまう。
苦労知らず、というキーワードだけでは説明ができない、
彼の疑うことを知らない信じる強さは、天性のものだけではない。

『スカーレット・ピンパーネル』のパーシーも、貴族のおぼっちゃまで、
強くてまっすぐな人だけれど、自分の心の中に生じた疑いから逃れることができず、
苦しんでいた。

ニコライは、彼の心が「信じる」と決めたら、他が何を言おうと
信じることを貫き通した。
あまりにもまっすぐなので、彼と出会った人は、
そのまっすぐさが気に食わないと、横やりを入れるタイプになるか、
何かわからんがすごい奴だと、一目おいてしまうか、
信頼に対して信頼で返そうと、誠実な態度を取らされてしまうか、
どれかになるのだと思う。

対するプガチョフ。
有り金すべてを飲んでしまう浮浪者のような風体の時は、皆にうとまれ、追い払われる。
誰かに「信じられる」ことはなかったし、誰かを信じることもなかった。
ある夜、雪あらしの中で出会った貴族のおぼっちゃまは、
彼にうさんくささをかくそうとしない従者を退け、彼を信じて宿への道案内をさせた。
プガチョフが、道を知らないよそ者の彼らを放り出して逃げるかもしれないし、
逃げる気はなくても、かなり酒が入っているので、道を間違えるかもしれないのに、
貴方を信じる、運命を共にする、と馬車の手綱を任せた。

お世辞にもきれいと言えない宿に、従者サヴェーリッチは彼が出会った他の人達と同様、
文句を言い、なじるが、
若い貴族ニコライは「君のおかげで助かったよ」とまっすぐに好意を向けてきた。
彼が礼にと求めた酒を喜んで了承しただけでなく、外套を持たない彼の身を気遣い、
自分の予備のコートを提供しようと従者に言うが、従者が首を縦に振らないとみると、
自分の羽織っている最上級の毛皮のコートを与える。
その上等の外套も、浮浪者の前のコートと同じく、酒代に消えてしまうだろうに。

一人の尊厳のある人間として扱われた喜び、
それ以上に、人間不信で寒々しかった心に灯った温かさにプガチョフは感激して、
ニコライの前に跪き、その手を取りキスをした。

この恩は忘れない。次に会った時に必ず返す。

プガチョフの人生をニコライは変えた。
次に会った時、恩を返せるような人間になりたいと願ったと思う。
毛皮のコートは酒代ではなく、そのための投資に使われたと想像する。
そして、もともと頭脳が有った人なので、頭角を現した。
しかし、やり方が強引だったこともあり、
部下たちは彼の能力を高く評価していたが、彼自身を信じることはなかった。
側近たちですら、今は時が彼に味方しているから、仲間でいるが、
情勢が変わって危うくなれば、その時の勝ち馬に乗ろうとしめしあわせていたし、
実際、その時にはそのように行動した。しかし、裏切り者が信じられた験しはなく、
ましてや反逆者コサック。貴族社会が仲間と認めるはずがない。
仲間を裏切り、敵に忠誠のポーズを示した後ですぐに、殺されていた。

一方ニコライは、辺境の田舎町に無事辿り着き、予定通りそこの軍隊に配属された。
そして大尉の娘、可憐なマーシャと一目で恋に落ちる。
マーシャは大尉夫妻に赤子の時に拾われ育てられた、コサックの娘だった。
マーシャに振られたシヴァーブリンが逆恨みで彼女を悪く言うのに耐えられず、
乗せられて決闘になる。そして、それに気づいた従者の声に振り向いた隙に切りこまれてしまう。
まっすぐゆえに単純な人なのだ。
自分の名誉のために命がけで戦ってくれたとマーシャはますますニコライが好きになり、
ニコライは素直なマーシャが愛おしく(身分違いがなんだ)結婚しようとプロポーズする。

そこに、コサックが自らを「皇帝」と呼ぶ人物によって統括され、
それにより壊滅的な被害を受けている、この辺境の田舎町も今やおとされんばかりと
情報が飛び込む。
マーシャに生き残ってくれ、と言い残してニコライは戦いに飛び出していく。

自らを「皇帝」と呼び、そのように呼ばせるほどに力を得た人物、コサックの長はプガチョフだった。
持てる力ゆえ、さらに不信感が募り、誰も信じられなくなったプガチョフの孤独は深まるばかり。
女性をはべらせ、部下に傅かれても慰められることがない。
プガチョフを「あなたを信じる」とまっすぐな目を向け、
一人の人間として丁寧にあつかってくれたニコライのまぶしさと温かさを知らなければ、
プガチョフは孤独の闇の寒々しさをここまで味わうことはなかった。

彼の心に唯一灯ったろうそくの炎であったニコライとの、まさかの再会。
コサックの大将と命乞いをするその捕虜と、
出会いの時と逆転どころでない異なった立場ゆえ、
「ぼっちゃま、ぼっちゃま!」と叫ぶサヴェーリッチのきいきい声がなければ、
プガチョフは捕虜がニコライと気づかなかった。
言われて、ニコライも反乱軍の大将が、あの時の浮浪者だとわかる。

ニコライのまっすぐな強さは変わらない。
変わっていない強さが嬉しくて、まぶしくてプガチョフは目を細める。

プガチョフを「皇帝」とは呼べない、自分はエカテリーナ二世の貴族だから。
でもあなたは「友人」だ。友人として見たいというニコライの願いを、
プガチョフはこそばゆくなるような大笑いで「分かった」と容認する。
そして、友人として、「じゃあな、先生」と彼と従者を解放する。

三度目にあった時も、ニコライは捕虜だった。
プガチョフ陣営となっている、元彼の職場に捕えられた婚約者を助けに行きたいと、
独り軍服でうろうろしているところを、とっ捕まったのだ。
やっぱり変わらないまっすぐさが飛びあがりたいほどに嬉しい。
愛する人を救い出したいという目的を持つ彼は何と輝いていることか。
以前より光り輝いている。自分飲み込んだ人物が大きくなっていることが誇らしい。

プガチョフはすぐにそりを手配させ、自ら同行を申し出る。
ニコライを「先生」と呼び、話をするプガチョフの楽しそうなこと。

目的地に着いたら、それまでの穏やかさが嘘のように、
今は彼の部下となったシヴァーブリンを脅し、
彼が横恋慕して軟禁していたマーシャの寝室を解放させる。
マーシャが、プガチョフの敵、大尉の娘と知って、
「なぜそれを言わない」とニコライに詰め寄るが、
ニコライが「だって、そう言ったら、君は協力してくれないじゃないか」とむくれたら、
「分かったよ、先生」とあっさり引き下がって、二人分の通行証を作って脱出させる。

ニコライといるときのプガチョフは、よく笑う。
ニコライの思いがけない行動に「やられたよ」さすがだ先生というように、
大きな声で朗らかに笑い、肯定する。

プガチョフに二度助けられた恩だけでなく、ニコライの心にも強い友情が芽生えていた。
だからこそ、マーシャと彼の実家に逃げる途中で、
プガチョフ軍が苦戦しており、敗北は目前であると聞くと、
戦場に赴き、誇り高い彼の最後を友人として見届けようとする。

ニコライが大事なのは、プガチョフだけで、
プガチョフにしても、ニコライ以外の軍人やロシア貴族は倒すべき敵なので、
ニコライもプガチョフの配下に躊躇なく向かって行くし、プガチョフも容赦ない。
(大尉の軍にもぐりこんでいたコサックが、相手がニコライと分かり、
 剣を引いたところを殺されたシーンは、悲しかった)

配下の裏切りも手伝い、こっぴどく負けたプガチョフは捕えられた。
二人が4度目に会ったのは、縄で縛られたプガチョフが連行されていくところに、
ニコライ一行が通りかかった形だった。
ニコライのプガチョフに対するこの場になっても変わらい友人として注がれる熱い視線に、
石をぶつけられ暴れていたプガチョフはふあっと笑顔になって「先生」と返す。
その目は、自分の反乱は失敗したが、自分の見こんだ「友人」は間違ってなかった、
ニコライと最後の最後まで友人であれてよかった、会えてよかったと感謝しているように見える。
ニコライはプガチョフに縛られているように、引きずられていくプガチョフに従って、
ふらふらと歩く。

マーシャは何も言わない。
ただ友人を奪われた彼を心配そうに見ている。
彼女も彼を信じている。
彼の行動が世間様にあれやこれや言われることであっても、
あの日、マーシャに先に行ってくれ、プガチョフの最期を見取りたいんだと
戦場に向かう決意をした彼にうなづいたときと変わらない。


裏切り者は何度でも裏切るし、嘘つきは繰り返し嘘をつく。

シヴァーブリンは、マーシャをまたもニコライに奪われたことを恨んでおり、
ニコライがスパイだ、プガチョフと連れだってやってきたのが何よりも証拠と、
軍事法廷で証言する。

上司の娘、マーシャを救い出すためと言えば、ニコライの行動は正当化されるが、
シヴァーブリンはマーシャの出自を知っているため、
それを出されると、マーシャにスパイの嫌疑がかかる。
自分ですらこれほどに辛いのに、愛する人にそのような思いはさせられないと
黙秘を続けるニコライのスパイ容疑は固まっていく。

ニコライの黙秘の意味に気付いたマーシャは、いてもたってもいられず行動する。
その思いに、サヴェーリッチらが力を貸し、順当に手はずを整え、
マーシャとエカテリーナ二世との面会が叶う。

威厳ある美しい女王の姿におびえながらも、
マーシャは人生すべての勇気を集めたようにふるえながら、
真摯に、ニコライの黙秘の理由を述べる。
その言葉に込められた愛に、勇気ある行動に、
女王の統治者でない一人の女性としての心が動かされ、
女王の一存でニコライの無実が決まり、解放される。

マーシャの訴えがリアルに響いたゆえか、
女王は彼女のその後の行動も理解できるほどに、彼女の心に添っていた。
女王がニコライへ出した許しの条件は
「マーシャと(本来ならば許されない貴族とコサックの結婚も特例で許すので)早く結婚しなさい。
 彼女は姿を消しているはずだから、急ぎなさい」だった。

マーシャの行くところは一つしかない。
ニコライがまっすぐ向かった先、養父母の墓の前にマーシャはいた。
互いの命のために、おのれの命をためらわず投げ出した二人は、しっかりと抱き合う。
二人を祝うように雪が舞う、白い帽子の人たちが舞う。
その中にはしっかりプガチョフもいて、やはり全開笑顔で笑っていた。


エカテリーナ二世の美貌に驚く。
ヒロイン・マーシャは雪の精のような初登場シーンから可愛いのだけれど、
圧倒的な美貌と言えば女王だ。

初演が、名ダンサーとしての評価が高いトップ娘役の退団公演であて書きだったんだ、
と思わせるダンスダンスダンスで、
それもあってトップ娘役として初めて臨むみみちゃんと比べるのはかわいそうだと、
初演を見なかったのだけれど、マーシャの可憐さと、
ニコライが大好きなのと、彼への強い思いはしっかりと感じられた。
トップさんがしっかりと輝いている人なので、その輝きを邪魔しない、
渚あっきーや舞風りらちゃんのような、儚げな持ち味の寄り添い系の娘役さんでいいじゃないかと思った。

初演のトップと二番手も癖のある人たちだったが、
音月さんの強いニコライに合った、彼女の魅力をより引き出す、未涼さんのプガチョフで、
光に救われたが、その光が魔的なほど強烈だったために、光を仰ぎつつ喜んで破滅に向かう闇、
という悲劇まで感じて、
このコンビで良かった、見に来てよかったと思った。
(男惚れ、という感じで、男色的な色気が無いのも、私のツボ)
プガチョフが赤い大将服でバーンと奥から登場したとき、ちっちゃ、と思ったけど、
衣装に着られている華奢さんでも、声はどーんと鳴るようにでかかったので、
大物感ある!と安心した。

プガチョフの副官二人が悪そうな目を光らせていたのも、彼らがおのれの力に自信をもっており、
それゆえ裏切ったと行動に説得力を与えていてよかった。


冒頭で「黒い瞳」が流れたとき、条件反射的にプルシェンコさんが脳内で滑るので、
最後までみられるのかしら、と激しく不安を抱いたが、
話の強さもあり、眼前でがっつり見せてもらったお芝居は、脳内映像に負けることはなかったので
ホッとした。
(ジェーニャ、早く戻ってきてください!)



『ロックオン』
前トップ、水さんの退団公演だが、
前作をトップ娘役が好きじゃないという理由で、雪組疎遠になっていた私にとっては、
初見のショー。

驚きはあったが、芝居が短く感じたのに、ショーは冗長な感じ。
驚きは、おもに「ま、まっつさんがそんな場所に! そんな衣装で! 羽根が!」と
おもに見慣れぬ絵に驚いていたように思う。

ショー全体としては、どこかで(他のショーで)聞いたような曲が多くて、
三木先生らしいと納得。
でも宝塚歌劇的にメジャーな曲は、それを持ち歌にされていた先輩ジェンヌさんがいるのだから、
使い方を考えてほしいなあと思ったり。
(『クンバ・チェロ』をやられると、トウコさんがどうしても浮かんでしまうので)

客席おりもあって、ジェンヌさんを板の上より身近に感じられるのはいい。
まとぶんのサヨナラショーも客席いじりが多かったが、
このショーでもトップさんが客席に長いこといるのは、さよならショーを転用したから?

全国ツアーといえば、ご当地ジェンヌさん紹介があったのだった。
(その前に見た全国ツアーは、星『蝶・恋』/『サザンクロス・レビューIII』だったからな)
大阪出身といえば、
「未涼亜希さん」と紹介されて、「おおきに」(だったかな?)大阪弁で答えるまっつに、
音月さんが「ホンマありがとう」と応えてそのシーンを締めた。

アンコールでの、ご当地ジェンヌ全員紹介があって、
奥のジェンヌさんが呼ばれる時には、中央の大きな羽の音月さんが彼女たちの姿が見えるように、
下手(まっつさん側)に倒れるようにくの字になっているのが何ともかわいらしい。
おかげでそんなところにおったんか!な羽根の影の人たちも見えた。
最後に紹介された未涼さんが、右手をあげてピースでプレスリーのようなポーズをとったのを見て、
一瞬の間の後、目をキューっと寄せてつむって、口を大きな船のようにした
「破顔」を絵にしたような表情で、受けまくっていた音月さんに、
未涼さんが得意そうな表情で応えているのがまたおかしい。

同期っていいなあ。(と、その0に戻る)
金の音月さんに、銀の未涼さんの、互いの持ち味の足りない部分を補い合って、
表現と互いの魅力を深めるコンビが、また見たい。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://okimari.blog26.fc2.com/tb.php/3510-f140e505

Menu

プロフィール

たまり(ょ)

Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

何となくの傾向インデックス
・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
宝塚歌劇感想
・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
リンク先=『麻生太郎オフィシャルサイト』さんスキー♪

チベットを知るために-人権問題(ダライラマ法王日本代表部事務所)

最近の記事

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カウンター

QLOOKアクセス解析

ブログ内検索

月別アーカイブ

なかのひと。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。