お決まりの日々?

モモの節句でございます。

'10 月『紫子』/『HEAT ON BEAT』

'98 月『黒い瞳』DVDから、霧矢さんつながりで突入。

公演が行われた当時、
霧矢さんの足が見たい、足指が見たい、ふくらはぎが、など変態発言を繰り返していたからか、
(いつも本当にすみません。実際にそれに釣られてパーソナルブックを、発売当時に
 浮き浮きと買った年季が入ったパーツフェチは言い訳しません)、
ブルーレイで作って頂けた『紫子』『HEAT ON BEAT』を見ました。

『紫子』は見ていてしんどかった苦しかった。
アデレイドちゃんも恋に関しては不器用で、とてもかわいい女性だったけれど、
男勝りに育てられた紫子は、アデレイドよりもずっと可愛い少女で、
「若竹のような」と表現されるけど、青さも魅力的だった。守りたくもならあ!

男の子のように育てられた紫子が、兄、碧生と思わせようと意識して、
歩き方もより男性的といきっているのに、無理を感じさせて、
男性として見るのには落ち着かない、ばれないように頑張れと見ていてハラハラする。

しかし、本当の男性である兄(主演さんの二役)は、きちんと男役(男)にみえる。
威厳をもってなどの気負いもなく党首として自然に見に付いた重量感が、
病でふらふらという初登場シーンであってですら、しっかりある。、

生来男で女のまねをする必要もない兄が、紫子を演じるのだから女らしくしようと
精いっぱい頑張りましたのシーンは、
どう見ても聞いても、オカマバー入店見習いの男で、美人だけどきもちわるい(笑)。
声変わりをした男性が裏声を出した場合の声を、出してしまう霧矢さんがすごい。

別性を演じる男女二役を演じ分ける以上にすごかったのが、紫子としての変化。

冒頭の、恋も知らない、男の子として育てられ、男女の差に気づいていない状態で、
風吹と通りすがるシーンは、男に見える。
なので、テロップで「紫子 霧矢大夢」と彼女の映像に重なった時は、え、と驚いた。
風吹が、あんな綺麗な男もいるんだな、と驚くので、
中性的な美少年に見える紫子という役どころ(すみません)なんだなと納得した。

立場変わって、女郎屋デビューの時は、『銀魂』の柳生九兵衛(家を継ぐため、
女性ではあるが男性として育てられているので、心は男の子)が遊女に混じっている
ような(九兵衛よりも、霧矢紫子の方が、骨太な感じだが)違いを自然に感じた。
大股で歩いて、ポンポン返す。ちゃきちゃきして可愛い。

それが客としてやってきた風吹に、
「お前男だろ。いくら綺麗だと言っても男は御免、不細工でも女がいい」とあしらわれて、
「女だ!」「そう思って見ると可愛いな」「だろ」と話が弾み、
紫子の新しいお仕事の習いとしてそういうことになる。
「恋人はいるのか?」に「いない」と答えたら、嬉しそうに顔を輝かして、
「それなら私の恋人になってくれ、お前は初めての」なんて照れられたら、
(男心は私にはわからんが)グッとくるわ。
それに加えて、明日も来てくれ(お前以外は嫌だ)とおねだりされるし、
面会人が来たにも、「接客中だから嫌だ(風吹と離れたくない)」と口をとがらせる。
風吹にも面会人があるとわかれば、じゃ、あとで会おう「必ず戻ってこいよ」
となぜか命令調で甘えてくるのだから、私にはないはずの男ごころがわしづかみにされます。
恋心でいっぱいの紫子は、今まで同じようなドスドス男歩きなのに、
どこか恥じらうようなしっとり感があって、めちゃめちゃかわいい。

紫子にとって、風吹は、はじめて好きになった男性で、
風吹にとっては、紫子は意外性の塊で、目を離せないとお互いに執着する。
綺麗な男か、と思えば、男みたいな女で、それでいて純粋な少女みたいに可愛いし、
やきもち焼きでちょっぴり傲慢で、ちっちゃな少女のかわいい我がままに
振り回されて、どこに行くか分からない、
と楽しんでいたら、本当にどこかに姿を消しちゃった。誘ったのはそっちだろ、気まぐれな奴。

紫子と三度目に出会ったときは、紫子はまた変わっていた。
今度は暗殺対象の男に化けていて、「お前紫子だろ」と言えば、とぼけられるし、
なんで仕事ができる社会人として評価を受け、難易度の高いミッションを与えられている俺が、
こんな少女(に見えるのが不思議!)のいたずらに振り回されているんだ(でも楽しい)と、
風吹は、紫子女王さまとその下僕という立場に楽しみを覚え始めているみたい。

恋人である紫子があまりにも可愛いくてならないので、
「碧生を暗殺する」仕事を放棄したどころか、
プロです、仕事はきちんとやりますと依頼主をだまくらかして、
紫子側にくっついている風吹の一途さが可愛いが、
それ以上に、大好きな風吹が、紫子恋しと追いかけてくれて(←偶然です)
傍にいるのが嬉しいけれど、今はお家のために頑張って、
兄の代役を務めることが大事!と頑張っている紫子がものすごくかわいい。

代役は兄の病気が治るまで。
病気の兄に女装させて、紫子として一緒に住めば隠れて生活することもない、
そっくりなんだから兄妹で役割をとりかえてしまえ、の案も良く、
休養に専念している兄の調子はどんどん良くなっている。
兄の婚約者も、聡明で楽しく気持ちのいい姫で、よかった。
兄の命令通り、あやめで彼女を喜ばせるミッションもこなせた。
兄を演じていながら、ふと、風吹のことを思い出して恋する乙女に戻り、
胸が詰まってしまう紫子が愛おしいし、辛くなる。
碧生の代役としての紫子の仕事ぶりは完ぺきで、感謝されているし、
代役が終わって紫子に戻れば、大好きな風吹と今度こそ恋人だし、
未来はいいことばっかりだ。
不思議な人生だが、これもまたおもしろいなと、楽しんでいる余裕すら感じる。

しかし、若くしてカリスマ統率者であった兄、碧生が急死する。
なんとしても佐伯家を守りたい。
兄も、支えてくれている家臣も守りたい。
そのためなら「紫子」としての人生は捨てよう、「碧生」として生きる決意した後は、
悲壮な決意で張りつめた固さと、これ以上なく張りつめた緊張の糸がきれたら、
あっという間もなく崩れてしまうのではないかという脆さまで感じる。

兄の代わりに婚約者と結婚するが、変え玉が必要なところがある。
そのために自分の恋人を差し出さなければならない苦しさ。
「紫子」としての人生も幸せも捨てたはずなのに、
「定嗣にやらせろ。(俺はお前以外は嫌だ)」
「恋人を他の女に差し出す女がどこにいる」(お前は女じゃない、とも聞こえる)
「俺が愛しているほどにはお前は愛してないんだ。だからこんなことができるんだ」と
恋人に言われる辛さ。

お家のために、と「お前しかいない」「分かってくれ」と送り出したものの、一
人になると余計に苦しい。
あの手が、と具体的に考えては、なぜ傍にいるのが自分じゃないのか、
生々しく苦しんだり、
舞鶴姫が素敵な女性だからこそ、彼の心を踏みにじるような行為を強要した自分に、
今度こそ愛想を尽かして、彼女の方へ心が向くんじゃないかと、
仲良くを誓った「妻」にまで嫉妬する。
変え玉がばれないことを最上目的である以上、風吹以外に適役はいないのだけれど、
それを良しとした自分の理性に、感情が牙をむき、
心が張りさけ、身を焼かれる苦しみにもだえ、憔悴しきってしまう紫子の辛さが、わが身に迫った。

『夢の浮橋』ので薫の苦しみを表現された時も苦しかったが、
『紫子』では、私の心成分により親和性がある女性としての苦しみを噴出されるので、
モニターの前で息が苦しくなった(ので、休憩した)。

……私はののすみさんが好きで、霧矢さんの相手役になってがっつり芝居を、
と思っていたこともあったが、今になって思う。
霧矢ののすみペアの芝居は、感情ウエーブが強烈過ぎて、観客が疲弊する。
ののすみさんの相手はゆうひさんやえりたんがいいんだ、
と96期問題で評価ガタ落ち中の劇団をちょっと見なおした。
(余計なものがついていない場合は)ちゃんと見ているんだねえ~。

さて。
「耐えてくれ」と懇願して代役を押し付けた翌朝に、恋人は姿を消した。
彼をひどく傷つけ、自分もとても傷ついた。この痛みを無駄にすまいと、
迷わず「碧生」そのものになろうと、紫子はキッと前を見据える。

可哀相なほど不器用で、一途な彼女の強がりに、傍にいる定嗣は胸が痛くなる。
何としてもこの気高い方をお守りせねば、と気合いが入るのも分かる。(そして惚れる)

不慣れな戦いで勝利を収めても、さらに難題が押し付けられ、取り囲まれて、
裏切り者に、お前らがカリスマ当主と担いでいるのは身代わりの女だぞ、とバラされても、
「たしかに私は「紫子」だが、「紫子」の姿を借りた「碧生」だ」と言い切る気高い強さに、
これまでの彼女の行動が裏付けし、家臣たちの忠誠心は高まるのだからなんという男前の女だ。
鎧が似合うどうどうたる武将姿なんだけれど、女性に見えるのが不思議。

舞鶴姫には恋人を変え玉にした件はしっかりばれていて、辛かったでしょうと慰められた。
彼女が親に言わなかったのは、自分を政治の道具として使うために、
恋人を殺されたことへの復讐の気持ちもあったが、なによりも、紫子が優しかったから、
ここを離れたくなかったと泣かれてしまう。この時の紫子は、女子校の先輩のよう。

最期も当主として迎えようと、火を放った城に残ることをきめると、
お供させてくださいと犬のようにきらきらした目をした定嗣がついてきた。
不思議な運命に翻弄された自分の人生考えてながら、風吹はどこに行ったのだろう、
もう私のことなど、忘れてしまったかな、とぼーっと倦怠感に身を任せていると、
定嗣が「紫子さまの心に風吹がいるのは分かっているけど、好きだから一緒に死ねて嬉しい」
と言ったとたん、風吹の姿が見えた。
幻か、それでも構わん、と「どこへ行っていた薄情者」と悪態をついてみたら、
定嗣が「風吹はずっとおそばにいて、紫子様を守ってました」と火の中に突入して二人きりに。

最後にずっと心から消すことなどできなかった、恋人が現れ、彼女への愛を見せたとたん、
張りつめた糸が切れ、そのまま消えそうなほどに崩れる弱さ。
トップ娘役お披露目の若い娘役さんが、トップさんがいないと私は1秒たりとも姿を保てない、
という儚さを、なんで芸歴十ン年のベテラン、それも男役さんが出せるのか。

私は彼女は美形だと思うし、写真を見るたびに「かわいいかわいい」と
脊髄反射するぐらいに大好きだけれど、宝塚歌劇に求められる容姿か、と問われると、
言葉を出せない。そりゃあ先輩が好きなジェンヌさん(今めおさんのカフェブレイクを流しておりますが)
が望まれるものだと思う。
本作のお相手は、彼女の体の中に男役サイズの霧矢さんをすっぽり包み込んでしまえる
安心のもりえスタイルで、いいなあとは思う。
そのようなハンデがありながらも、板の上では、見ているうちに、
年齢的にもベテラン女優が(若づくりの)ヒロインで年齢差のある新進役者を恋人役にするのは
珍しくないし、芸で可愛く見えてくるのと同じように(本当にすみません)、かわいい少女に見えた。
退団後に、男性の役者さんを相手にした『紫子』を見たいなあとも思った。
(その時は、そのかも特別出演でよろしく!)

そのかは男前だし、風吹に惚れちゃって、彼を守ろうとする女忍者もかわいかったし、
別の男に惚れて刃向けた女忍者を殺した雇主にしっかり制裁加えているそのか役の
愛情深さも感じたし、務めを果たししったと安堵して燃える城に入っていく家臣夫婦の
歴史を感じる落ち着きもよかったし、家老は「おぬしは悪じゃのう」を体現していて、
話の内容も面白かったけれど、
主役が別格すぎて、この後の大劇場公演以上に座長公演だった。あああ。


紫子が男に見えたか女に見えた書くだけで、こんなに長文になるとは……。
ここは「男らしく」、つぎは「女」として、と頭で演じるのではなく、
気持ちで動いておられるからこそ、同じ衣装でも違って見えるんだろうなあ。


ショーは麻子さんの退団ショーをちょこちょこ変えたもの。
あれ、先日雪全ツ『ROCK ON』で見た衣装が、聞いた歌が……。

椅子のシーンは、麻子さんショーの時よりも、不健全になっていてビビった。
そのシーンの二番手さんの持ち味なのだろう。
今回が不健全、というより、麻子さんショーの二番手さんが健全過ぎなのかも。
初めて組んでこれか!と驚きのダイナミックぐるぐるリフトで、まりも美脚もすごかった。
(大劇やドラマシティで見たときよりもでかく見えるのは、彼女のその後の精進のたまものか)

はだしのシーンはスロー再生してみましたが、スローにしてもお手本のような正確さに見えました。

主演さんが「にっこり」笑うと、つられて「にやーっと」わらってしまう。
にっこりとにやーっが、スターさんと凡人の差です。



紫子は、特殊な環境から、恋を知らず育った子供であって、実に純真な恋する少女。
男役のスキルを極めていないと、表現不可能、という縛りはあるが、
現役の男役が演じなくても、退団後でもいいんじゃないかと思ったりもします。
映像で見るだけでも素晴らしいもので、それだけに劇場の座席にいたら、
苦しさに支配されて非常にしんどくなった(疲れてヘロヘロ)と思うけど、
(疲れたところを、ショーの刺激で興奮してランナーズハイ状態になると、
翌日は寝込む)、宝塚歌劇団のトップ男役は、就任と同時に
残り時間のカウントが止まらないので、退団後もできる作品は後で、と願ってしまう。
いいものを見せていただいて、なんと贅沢なとも思うけれど。
この成功をきっかけに、退団後にもう一度彼女主演の『紫子』を上演してほしい。
(ロミジュリの星→雪連続公演をやったのだから、
ハゥ・トゥや、ノバ・ボサ、ル・ポワゾンも月組でやってくれたらいいのに。
トウコさん主演の『エリザベート』がなかったように、はずしていく方針なのかしら?

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たまり(ょ)

Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

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・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
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・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
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