お決まりの日々?

モモの節句でございます。

宙『美しき生涯』/『ルナ・ロッサ』(その2)

宝塚グランドロマン『美しき生涯』感想 その1からの続き


<「美しき生涯」?>

この話の三成は高すぎる理想に酔い、それを追いかけることに夢中になって、
地に足がつかず、好きな女性と生きることもできない愚かモノだと思った。
恋は二の次、仕事一筋と理想社会実現に向けて、
「義だ」と行動することに満足できていれば、幸せだろうが、
この話の三成はいつも苦しそうだ。苦しむ姿が絵になる美形だからといえ、あんまりだ。
永遠の愛と誓いつつ女を「利用」したんだから、せめて自分は幸せにならないと、
彼のためにと苦しみを飲み込み、生きて辛い道を進む茶々はいっそう苦しいじゃないか。

大河ドラマ『江』の三成は、とにかく秀吉に従っていたらどうにかなるんだの
必死すがりつき愛に見えて、観ていて情けなくなるが、
『美しい生涯』の三成は、自分の三つの理想を成すため、
もっとも適任と彼が見込んだ人物、秀吉がその才能をふるえるために、
忠義という形で、おのれを殺してまで尽くぬいたように見えた。
殺し切れず、茶々とのあいだに子供を設け、秀吉の子としていたのは造反じゃないのか、
と、この物語からはとても「清廉潔白」で「美しい人生」とは言えない。

秀吉が天下統一をして、民が平和に暮らせるシステムを作ること、
そして、それを「秀吉の子」という形で後を継がせ、維持していくことが
三成の成したい理想であり、
それに加えて、愛する女性が、彼が彼女への思いを行動で表現している限りは死を選ばないという
安心感もあり、密通していたんだと解釈した。
理想は、……美しいわな。

関ヶ原の時には「正義は我にあり」なんて叫んでいたし、この人の唱える「忠義」は、
豊臣家へ、ではなく、秀吉の作ったシステムを、正当とされている後継者を据えて、
続けていくことにささげられている?

サブタイトルの
「――石田三成 永遠の愛と義――」の「愛」は茶々への愛として、
「義」は、秀吉を裏切らない、というよりは、
秀吉の作った理想のシステムをなんとしても維持しようとしての「義」みたい。
(朝鮮出兵は秀吉の死後、取りやめたように、彼の理想である民の平安に反すると
 異をとなえていたことはやめている)

愚かゆえに愛しいと思える感情もある。アホの子に描かれていた福島正則はかなり好きだ。
実際に非常に綺麗な美形で、自分の考えで立っている人に描かれていたけれど、
三成のことを好きだと思えなかった。
女性をターゲットにした宝塚歌劇なんだから、主演に惚れさせて何ぼよ
(オスカルの場合は共感と彼女の相手に対して素敵と思わせて何ぼ)と思う。

関ヶ原の戦いも、
愛人とその息子に、自分と夫が一から築き上げた財産を取られるぐらいなら、
すべて無くなった方がましじゃ、七人槍は家康について、淀と秀頼、三成を討て、
と、おねの「女のいさかい」に矮小化されたのは、この作家さんの味なのだろう。
今の大河にしても、成功者への尊敬の念が薄いように感じる。

脳みそ筋肉の福島正則(みっちゃん)が、三成気に食わんという思いを、
おねにすくわれ、家康におだてられて暴走し、勝利したあとの気持ちの悪さに、
これでよかったのか、三成には忠義があった、引き換え自分たちは、と思いいたったところで、
彼らを利用した家康(すっしーさん)に「こいつらはすぐに裏切る」と低く見られたことに気づいて、
深く恥じ入り、
処刑を待つ三成に深く礼をしたまま動けなかったシーンが、心に残った。

「三成は正しすぎる。おのれのずるさをあぶりだされるようで、辛くなる。
 そして嫌いになる」
というようなことを、とても辛そうに言っていたが、
おのれの正しさを押し付ける人ではなく、
自分も含めた弱さを知り、他人の弱さを感じ取り、時に共感し、つけこめる
「人たらし」だからこそ、存命中は7人槍も造反しなかったのだろうと思う。

戦いが無いと中央への不満がたまるので、常に戦わせておけ、というのは、
今の時代に置いてもまったく真理だ。
(首相の漢字の読み間違いが、トップニュースになり、ワイドショー、週刊誌が
 何週にもわたってにぎわうなんて、平和で安定していた証拠だ。
 今や外国人による首相への献金や、首相が外国人の愛人との間に子供までいる問題も騒がれないんだから)


物語のラストシーンは、疾風が(?)、死して結ばれた三成と茶々の幻想を見て喜んでいるような
感じであったように思うが、すでに集中力も死んでいたので、確かではありません。
こういう「いかにも宝塚歌劇にありそうで、過去の作品にあったようなシーン」が、
あちこちにくっついているのも、この舞台の流れが悪い一因だと思う。

友人は、銀橋を多用しすぎ、最後まで渡り切らさず、途中で戻らせるなどもできるのに、と
観劇歴と記憶力双方の素晴らしさで、指摘していた。


ぼんやりとした記憶で振り返ると、ののすみがかき回し、
トップと二番手が美しさを多々と振りまき、
でっかいひとは荒々しさで戦国の世だと観客に示し、
専科の方々は、同じ土俵に立っていないところをかもし出し、
みっちゃんがまとめる、と、今の宙組と専科に合った芝居だと思った。
(霧矢さんが三成役だったら云々は考えてないです。ホント)

<余談>

ハヤテ、と呼ばれるたびに、漢字表記は「疾風」だろうか、「疾風!アイアンリーガー!」
とジングルがなるのにも困った。アイアンリーガーのためにレーザーディスク本体を買いました。
DVD-BOXが買いやすい値段で出ているとは、良い時代になったもの。
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欲を無くすのが忍びではなく、欲を利用するのさ、とか何とかいいながら、
おねが使っている忍びに手を出し、酒で酔わせて薬で眠らせると、
何かと手が早いから「早手」と呼ばれた忍びじゃなくて、「疾風」で良かった。



レビューロマン『ルナロッサ』

三成の兜に、サイトーくん大劇デビュー作『BLUE MOON BLUE』を思い出していたら、赤い月が来た。

組み替えのかなめさんはリフト要員でもあったのか。

大きなかなめさんでもリフトできる、安心の宙男クオリティ。でかいです。
(あちこち大きいかなめさんの女役に、叶美香が出た、と思いました)
でかいということは迫力があるということで、
ホンの10センチぐらいのことかもしれないけれど、
その差がこの広い2500人収容の劇場の舞台では大きいのだった。

トップさんは、持ち上げられることはあっても、リフトすることはなく、
組み替えの二番手さんが、トップ娘役さんを乗せて回していました。
変わった組み方を交えた、仲良しデュエットダンスもあったのだけれど、
リフトが無いとさびしい。
トップコンビのリフトなし記録@大劇更新中。

エトワールのりりこちゃんから、みっちゃんへ歌い継ぎ、
「だいじょうぶか、かなめさん」と身構えていたら、違和感なく上手に聞こえてホッとした。
隣の友人も同じ思いだったらしい。
よかったよかった。

芝居もショーも、締められる技量をもった人が、締めてくれると安心の宙組。
ゆうひさんとラントムのコンビは良かったけど、
ゆうひさんとかなめさんのコンビもイイじゃないか!

つぎの宙組公演も観る!
次がトップさんの卒業公演じゃないかと言われているけれど、
ののすみが卒業して、おおきな宙組だからと、
身体が大きいだけではなく、悪い噂もとっても大きい、
神経性胃炎で休演していたのに、バウヒロインで復帰する96期の娘役が、
相手役にやってきたら嫌だなあ。

『明日の神話』にベニヤ板くっつけて、自分たちの作品展のアピール動画を
ネット配信した、チンなにがしにしても、
96期の“優秀な”タカラジェンヌにしても、
自分らの能力で勝負しやがれ、他人の人気におんぶされようとするな、
と苦々しい思いです。

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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

何となくの傾向インデックス
・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
宝塚歌劇感想
・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
リンク先=『麻生太郎オフィシャルサイト』さんスキー♪

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