お決まりの日々?

モモの節句でございます。

『エドワード8世』(9回目と10回目の間)

やっとここで、ヒロインがかわいい、という話。

字数を費やしてきたのに、ウォリスのかわいさについては触れていませんでした。

だって、初日は、そんなにかわいく見えなかったんだもん。

ウォリスは、強がりで、プライドも高くて、自分の気持ちを正直に出すことが出来ない子です。
傷つくのが怖いと、どう思われるか不安など抵抗があるんだよね。
でも自己評価が低いところもあって自信がない、まあ、よくある、といえばあるような
そんな人に見えた。

外から見ているには分かりにくい、友達として付き合うとしても癖をつかむまではややこしい人。

難しい役だと思う。演者には気持ちはあったのだろうけれど、初めのうちは
強がっているのか、強いのか、私には良く分からなかった。

でも、2月16日に見に行ったときだったかな、変わった、と思った。
ツンツンの彼女が、そのとき好きな人に対しては分かりやすくデレていた。
とくに、デイヴィッドに対して、やわらかくなった。
顕著だったのが、「本当はどうなりたかったの?」と夢を話すように促すシーン。
初日あたりは「議論」の続き。
「本当はどうなりたかったのか、夢があるっていうんなら言ってみたらどうなのさ!」
売り言葉に買い言葉みたいに、ぽぽぽ~~んと飛び出していた台詞が、
「ねえ、おぼっちゃま。夢があるんだったら、お姉さんに話してみない。聞いてあげるわよ(はぁと)!」
風に。

それで分かりやすくなった。

ウォリスはシンプソンのことも本当に好きで。だから妻子がいるとわかっていても
アプローチした。素直な人だから自分の気持ちに、芯のところでは嘘がつけないのよね。

そう分かったら、また、フランスへ行くという芝居のところの不自然さが増していたので、
がっちりリンク。

テルマのパーティで、憧れの王子に会える、と心はハイティーンになっていたウォリスだけれど、
王子は憧れ、好きなのは夫で。
夫が仕事だからと先に帰るのに不満を示している。
おしゃれも、夫と華やかな時間を楽しく過ごしたいし、
夫の仕事の役に見事に立って、彼に認められたい、彼に必要とされたいという期待の表れに見える。
彼女が今の夫であるシンプソンをとても好きだと、ガイとの掛け合いの歌で分かる。
シンプソンは魅力的な男性で、自分以外にも言い寄っている女はいっぱいいただろうし、
彼女が「略奪」したあとも、そういう噂が絶えなかったのだと、
デイヴィッド末弟の結婚式の日の門前でのやりとりが示している。

王子にガッカリし、「おとぎ話」に浮ついた心を日常に戻したときに、
夫の浮気現場を見てしまった。
怒ってはいるけれど、シンプソンが好きだから、
耳元でささやかれの首チューで力が抜けちゃう。愛しているにコクコクと頷いてしまう。
にやりと笑う夫の悪さに、平手はかましたけど。

そこに、ガッカリ王子登場。
やっぱり、ガッカリくんじゃない、と苛立ちを隠せないウォリスだけれど、
意外にいいやつだった。理想とは違っていたけれど、王子との「議論」が楽しくなってきた。
これは、これで、ありかも。
夫への怒りもあって、デイヴィッドの誘い(?)に乗った。

知れば知るほどデイヴィッドは、子供みたいに純粋。すぐに怒るし、すねる。
いい年だけど、夢見る王子。別世界の人だけど面白い。
「夢があるのなら、お姉さんが聞いてあげるわよ」と促せば、素直に乗ってきた。
あらやだ、破天荒王子と思っていたけれど、ちゃんと考えているのねえ、
と好感度アップしたところで、
「愛人にならないか」。
なにやっぱりこの人、変!

話を聞いてみると、面白そうだし、乗ってみてもいいかな、と
いたずら心をわくわくさせて、常泊のホテルに帰ったら、
夫が君が必要なんだよ、弱った風に迫ってきた。

愛人とは切れていない様子なのに、私の手も離さないというの?
それはいつもの夫の態度なのだけれど、ついさっきまでデイヴィッドと
楽しい企みでもりあがっていた気持ちが一気に引き戻された。

そして、夫は彼女を愛しているのではなく、彼女が商売の道具のお気に入りだから、
彼女を利用したいだけだとわかる。彼女が夫を「愛している」のに付け込んで。
サーッっと気持ちがさめた。そのときデイヴィッドからの見事な、彼が育てた鉢植えが届く。
テルマよりも立派な鉢植え。

シンプソンがその気なら、私も王子と楽しく遊んでやるわよ。
ウォリスの中での順位が、ここで完全に逆転する。

シンプソン役のマギーが上手いんだ。
シンプソンは「女の敵」のような魅力的な男性じゃないと、
「愛人がいっぱい」のデイヴィッドが素敵に見えない。
あのウォリスを屈服させるような魅力がシンプソンにある。
弱って見せ、君が必要なんだと甘える芝居で女性を操る、狡猾さがある。
デイヴィッドは、芝居じゃなくて本当にどうしようもなくなってしがみついてくる。
この純粋さをウォリスは新鮮に感じたんだなとシンプソンを見ていると分かる。

王子の「愛人」のふりに乗ってみると、今までと別世界が広がった。
むき出しの敵意も受けるけど、高揚した毎日で楽しい。何より、デイヴィッドが面白い。
何でも持っている、何でも出来る王子様なのに、彼女には弱いところを見せる、甘えてくる。
かわいい人だな、と思う。
「甘えないで」と口では拒絶してみせるけれど、甘えられることが楽しい。

モラトリアムは長くは続かない。
デイヴィッドは『エドワード8世』と責任のある地位に着いた。
彼女の存在はスキャンダルなのだが、デイヴィッドは彼女の手を離そうとしない。
絶対結婚するんだ、と、出来ることからどんどん詰めてきている。

彼女にはイギリス国王王妃、という立場は実感できないけれど、
彼女とシンプソンとの離婚を成立させ、どんどん行動に移していくデイヴィッドに、
時間はかかるかもしれないけれど、いずれ、自分はデイヴィッドの妻になるだろうなと
気持ちは固まっていた。

そこに、MI6。彼女の甘さを指摘する。
デイヴィッドは特別な存在ゆえ、彼女の過去が、デイヴィッドに敵を作ってしまう。
彼の命をも危うくすると執拗に追い詰められ、デイヴィッドが殺される幻影まで見せられた、
その直後のデイヴィッド暗殺未遂。
銃口は彼を狙っているのに、彼は彼女をかばおうとした。
このままでは、彼女の存在ゆえ、敵を作った彼は、本当に殺されてしまう。
いたたまれなくなった彼女は身を引く決意をし、後を追いかけてきたトーマスに気持ちを打ち明ける。
トーマスはチャーチルに、報告、相談して、フランス行きの芝居を作る)


後は芝居のとおり。
私のファン目線かもしれないけれど、ウォリスの役作りが変わったのは、
デイヴィッドが中年なのに、心は子供みたいな駄々っ子で、
心に純粋に従う人なのにあわせてかと思った。
公演が後半になるにつれ、二人の「お似合い」度も上がってきた。
二人がやっていることは、いい年をした分別を社会的に求められる大人の
「正気の沙汰ではない」のだけれど、
彼女でなければ、彼でなければならない理由が、すこんと落ちたから、
二人の非常識を客席で応援できる。幸せになって欲しいと願える。

上手く客席を載せてくれる、いい芝居だと思う。

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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
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・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
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・他ドラマなど
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