お決まりの日々?

モモの節句でございます。

『ビューティフルレイン』(2012夏ドラマ)

二日で見ました。
まとめ視聴が私には良かったです。

不幸になることが見えている番組を見るのは、心に余裕がないとしんどい。

難病×子役の泣かせモノのあざとさが、ギリギリくる。
ドラマティックに感動させられている、というものでなく、
視聴者が苛められているように思う。

不買対象商品のCMが入るのもうっとおしいので、録画して見るのは正解だった。
ドラマ内でスポンサー製品がクローズアップされていたのには笑った。

見ようと思わされたのは豊川さんが主演と知ったから。
しかし、主役はタイトルロールの美雨、天才子役様ですよとビンビン思惑が伝わってくる番組で、
天才子役ちゃんがかわいいですよ、どやっのドアップ画に目がだるくなった。
その印象は最後まで崩れなかった。

難病役を演じるのは豊川さんですよ。
だからきっと、迫真の演技で病状が進んだところまでやって、
日常生活が送れなくなり、自分の娘のことも忘れてしまう時間が多くなって、
善意でサポートする側が苦しむところまで持っていくのか、と期待をした。

難病×子役で、「ドラマティック」という枠なんだから、そこまでやらなきゃ。

病気の進行は、少し前にあったことを、別の事柄が挟まったあとでは思い出せない、
自動販売機の使い方を忘れてしまった、のところまでで終わった。
小学二年生のかしこくやさしい思いやりのある娘が、父を傷つけないようにサポートできる状況で、
天才子役が演じる役が、自分がサポートできる限界を超えてしまったと、
かわいそうになるところまでは行かなかった。

彼女の、父の病気に対する認識は、極めて甘い。
小学二年生という設定からは信じられないほどに高度に理解しているが、
父には時間がないこと、病気が急に進むことは理解にいたれていない。

「医師になり父の病気を治したい」という小学二年生が医師になり、
劇的な治療法を見つけたところで、医師になるには最短で16年? 
5年後には施設でないと暮らせないであろうと高名な専門家に言われている、
萎縮しきった父の脳は回復しないだろう。娘の夢の絵がかなう日はまず来ない。

新薬開発だって、日本で保険適応になるのはいつの話だ?
沼津の祖父母が経済的に大バックアップして、アメリカでの臨床試験が終わったところで
投与したとしても間に合わない。

若年性がつかないアルツハイマー自体は、珍しい病気ではなくて、
身近な人にかかっている/かかったことがある人がいる人は多いと思われる。
この先、主人公の患者さんがどうなるのか、視聴者はリアルに推測することができる。

希望を残したラスト、というよりは、
先を見せたら希望も何もなくなってしまうから、切って見せなくして
とりあえずの「希望」でお茶を濁したようだった。


プロモーションドラマを見せられた感じがした。
天才といわれる彼女だから、もっと色々できるとできると思うのだけれど、
「大人」が望む子どもの役しか、少なくても私は見た覚えがない。

バンザイ、けなげでかわいい、やさしく明るいかしこい女の子。
難病の父を、子供であるのに理解して支える彼女の活躍を見せるための状況設定だから、
父と娘の別離はありえない。

その設定のためには、理解のありすぎる周囲が必要だし、
海外でも知られるほどの有名な大学病院の講師が主治医として、
アポなし単身で「会いたい」と彼に会いに来た小学二年生の姿を、
偶然見つけて時間をとり、
病院に押しかけてきた患者の職場の人たちにも時間を割いて丁寧に接する。
病気については守秘義務を押し通していたので、診療報酬は発生していないのでは。

難病外来を担当している大学病院講師以上の医師には、
患者さんがいっぱい付いていて外来診療が終わらないイメージがある。
しかも世界的に認められている論文などを書かれているらしく、
アメリカの研究チームからヘッドハンティングを受けているぐらいの有能な医師なのに、
時間に余裕がある先生だなあ。


本人には言えないと秘密の話を、渦中の人が意図しない盗み聞きで知るパターンを繰り返し、
重なる不幸な偶然と、善意で裂かれそうな「父娘の絆」。マーカワイソー。

職場の人が同居してくれる、
中にはアルツハイマー病の介護経験があり、その道に進もうと興味を持っている出戻り娘までいる。
家事も仕事も、患者さんが中心だと全力でサポートする、だって大事な、家族同様の人だから。
高名な主治医は献身的で、貴重な時間をつぶすことも厭わない。

昭和バリバリの家電製品で、給料も少ないらしいのに、
3割負担とはいえ、受診料やアルツハイマーの薬代(おそらく併用療法)があっても生活は変わらない。

こんな恵まれた環境の同病患者さんはどれぐらいいるのだろうか。
作品中では、患者である主人公自身が、温厚で優しく周囲に恵みを与え続けたから、
それを善意の形で返されているようにも描かれているが、
となると、サポート体制に乏しい患者さんは、
それまでの行動がよろしくなかったゆえの、自業自得なのかと勝手に思わされて気持ちが悪い。

難病も名優も、
タイトルロール役の子役のかしこさ、かわいさをテレビでアピールするための要素に過ぎない印象で、
残念なドラマだった。

自分がいない未来で、愛する人へプレゼントやメッセージを残したい、というのは、
「亡くなったお母さんから、『お前が○○歳になったら見せてほしい』と預かったビデオだよ」的で、
特に5年後には忘れてしまうと予後を告げられた父にとっては、
そのときの誕生日プレゼントと、毎回のメッセージを残すことで、
子供の成長を、そのときの彼はわからなくても見守っていたいという願いは、切実だったと思った。
(8年前に亡くなった母親が、父親にすべてを任せ、何も残せなかったのが不思議なほどに。
 出産時に母が亡くなったとか、意識障害に陥ったというのではなく、夫婦で喜んだという設定だったから、
 これは出てくると思った。母だからこそ同性の娘に伝えられることがあるし。
 父が母に送ったアクセサリーなど、女性だからこそ残すものもあるはずなのに)


それでも、豊川悦司の脚の長さは、私に見た目の安心感を与え、
やはり上手い役者さんだと思ったし、
声のよさは、騒音にしか聞こえない「バラエティ」が跋扈する中では救いだった。

豊川さんにはまた奇人変人、とまでは行かなくても、一癖も二癖もあるような役を演じて欲しい。

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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
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