お決まりの日々?

モモの節句でございます。

雪『ベルサイユのばら ~フェルゼン編』龍特出

 今日はA席と分かっていたので、オペラグラス持参で。
 構成のひどさも前回でわかったので、もう唖然としない予定でした。

 オペラグラスを通してみたルイ16世は、とても38歳で逝去されたようには見えませんでした。
ルイ15世の間違いじゃ……。

 覚悟してみた一幕は、さらにひどかった。
 3連続お散歩シーン。
・ルイ16世の夜のお散歩。「自由になれる時間がここしかない」と愚痴を小姓にこぼす。
・アントワネットが出てきてフェルゼンに別れを告げられる。
衝心のアントワネットはオスカルが慰めてくれないのに苛立ち、オスカルを「女の心が無い」と苛める。
・「良く決心してくれた」とオスカルがフェルゼンに礼を言うが、別れが辛い様子に彼女がフェルゼンを好きだったと気付かせてしまう。
 同じ比重で描かれているが、ルイ16世のお散歩は後のストーリーに何の影響ももたらさないので、
とってつけたような場面に見え、また、あとの二つのインパクトが薄まっていた。

 特出という事情でアンドレの比重が上がっていたので、ますますおかしなことに。
 トップスターオーラは隠せないのか、アンドレがキラキラしていて、とても影とはいえない。
 アンドレが光、オスカルが影を示すように、オープニングでアンドレのソロ歌銀橋渡りはあっても、オスカルのはない。

 オール雪組バージョンのアンドレは、いつの間にかそーっと入ってきて、オスカルを静かに、
しかし大きな瞳の中に隠しきれない情熱の炎を揺らめかせて見つめている人に見えた。

 トップスター様のキラキラアンドレは、貴族の中にいても物怖じしない。オスカルより大きな体で胸を張り、威風堂々と振舞う。
副官のジュローデルには「ジュローデル“様”」とへりくだるそぶりをみせるのに、
オスカルを彼女の部下の前でも「オスカル」と呼び捨てにしている。オスカルは隊長、上官なのに。オスカルは俺のものだ気取り? 
二幕で「他の男に渡すぐらいなら殺してでも俺のものにする」毒殺シーンが挿入されたものだから、
アンドレがオスカルを自分のものと思っているように見えてしまった。

 二幕、オール雪組バージョンでは、フェルゼンに助けを求めに行ったジュローデルが、フェルゼンの問いに答え
「オスカルは死にました。アンドレと強い絆で結ばれて」で、「今宵一夜」に続く回想シーンに入るのだが、
今日はトップスター様がアンドレなので、ジェローデルをオスカルと結婚させようとした、という話から、毒殺シーンに続く回想に飛ぶ。
 二人の絆が描かれていないのに、
「オスカルが結婚! 他の男に渡すぐらいなら殺してでも」とアンドレがすぐにワインに毒を入れてしまうので、
オスカルを愛しているが身分違いで結婚はゆるされない、結婚できなくても一生オスカルの傍にいて守ると
心に積み重ねてきたアンドレの隠してきた思いが見えず、それまでの平民であるはずなのに、
貴族のような振る舞いをしていたこともあって、自分を貴族と思いこんでいる平民に見えてしまうのがイタイ。
 叶わぬ思いを押し殺していたシーンがないこともあり、今日のアンドレは思ったらすぐ行動してしまう人に見える。短絡というか明け透けというか、open mindedというか。明るく振舞うのは、フェルゼンのことで心が沈んでいるオスカルを気遣うからではなく、
生まれつき能天気で明るい人なんだろうなと思えた。
 原作があるとはいえ、原作と別人のフェルゼンを中心として商業演劇として出しているのだから、
オスカルやアンドレが原作どおりでなくてもいい。私はともみんの熱い血潮が噴出しているジュローデルが好きだけれど、
原作では違うし。だからアンドレが輝きまくっていてもいい……のだと思う、私の好みじゃないだけで。
今回「表面は氷のよう」とアンドレに表現されているオスカルが、舞台上では過敏なヒステリー女として描かれているから、
光と影についても植田シンジ先生の言葉の使い方が独特なのかもしれない。

 毒殺シーンが挿入されることで削られたのは、雪組トップスター様の大立ち回りと新曲銀橋ソロだったことにびっくりした。
 よりによって、プログラムに見開き写真入で載せている新曲をカット!? 私の勘違いであればいいが、トップお披露目公演で新曲カットが本当ならひどい仕打ちだと思う。

 アンドレが橋の上で撃たれたとき、駆け寄ろうとするオスカルをジュローデルが留める。
 アントワネットが断頭台に向かおうとするとき、駆け寄ろうとするフェルゼンをロザリーが留める。
 全身を使って、時々オスカルに押されながらもジュローデルはなんとか成功する。
 相手の腰に両手をあてただけで、ロザリーはびくともせずにフェルゼンを完璧に固定できる。
 舞台下手と中央という差はあれど、同じお芝居の同一幕内で繰り返される同一の構図に、疑問を抱くものは当然いただろうが、
何も言えないのであろうことに、先すぼまりの未来を感じた。


 覚悟をして舞台を見ても、フェルゼンは本当にひどい人(人なんだろうか? 異次元生命体かもしれん)で、
フランス王妃としてではなく、一人の女性としての幸せを考えてあげるべきだと、
フランスの国のため、アントワネットが王妃としてフランス国民に受け入れられるためと頑張っているオスカルやメルシー伯爵を攻撃する。
 外国に行って、そこの統治者の配偶者に横恋慕し、彼女の信頼を得たことをいいことに己の欲望のままに行動し、
それをとがめられると、国がなんだと演説をぶつとは、スウェーデンのお貴族様はフランス国王よりも格上らしい。
 勘違いにもほどがある。
 一人の女として生きたいのであれば、王妃としての立場を捨てよ。立場には責任を伴う。
王妃の特権でお金は湯水のように使いたい、人の上にたって好きなことをしたい、でも王妃としての仕事はしたくない。
 どこかの皇太子妃を思い出した。嫁いだ時アントワネットは14歳の子供であったと表現されているが、
皇太子妃は29歳(?)であったのだから、とんでもない人物を迎え入れてしまったものだと思う。
アントワネットの母マリア=テレジアは、娘の性格を良く分かっており、信頼できる側近をつけて、義務を果たすようにと口うるさく言ったが、
どこかの皇太子妃の外戚はたかり行為を繰り返し、お諌めするものは首にし、“皇室のラスプーチン”と書かれたこともあるお抱え医師に「好きなことをするのが治療」と言わせている。
 フェルゼンが「王妃という環境がかわいそう」「一人の女性としての幸せ」と言い出したとき、お前は大野かと突っ込んだ。
 好き勝手に散財した結果、アントワネットは国民の怒りを買いベルサイユを追われるのだが、わが国でも義務を果たさず権利だけ主張するあれらを追い出すことは出来ないのだろうかと思う。

 特出の関係で、台詞が一つしかない役(出番も二回ぐらい?)のオール雪組バージョンでのアンドレ役さんが、
パレードで特大のええ声で歌われていたのがツボだった。そこで急に音量アップ。続くオスカル役さんも負けじと声を張り上げて頑張る。
歌ウマさんなのに、この部分しか歌わせてもらってない彼女の、ファンの心の声に応えるかのように、ソロ一曲に相当するほどのエネルギーを感じ圧倒された。すごいなあ。特出に限り、エトワールというわけには……その前の群舞があるから無理か。
今日のエトワールさんの声は、ねちゃ~感がなくて流せた。素敵とは思えはしまいが。

 オペラグラスで、気になっている下級生娘役さんをしっかりウォッチング。
市民として登場したシーンでは、夫との芝居あり、ベルナールに諭されての表情の変化あり。
オスカルvsブイエ将軍の場面は、不安そうに見守っていたけれど、オスカルの決断にぱあーっと表情が開いて涙目になっているのにもらい泣きしました。きれいだし上手。もっと出番があってほしい。

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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
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『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
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