お決まりの日々?

モモの節句でございます。

月『1789』

ちゃぴさんはどこまで行くのだろう。

娘役への転向後、大劇三作で仕上げて、トップ娘役に。
新人公演での本役は、当時のトップ娘役の男前まりも姐さん。
お披露目公演で、相手役はWトップで役代わり。
お披露目は初々しさと少女のまっすぐさ、小動物系のかわいらしさで、
「娘役」ぽさは薄かったけれど、好感は持てました。

それが、いつしか私を泣かす娘役に!
メラニーでも、彼女の神々しさにひれ伏す思いがしましたが、
『1789』のアントワネットはどういうこと!

退屈よりもまし、この愛があればいい、不幸な政略結婚とは言わせない、と勝気な性格に意地も手伝い
好戦的で享楽的な一幕、それでも子供への愛はしっかりとある状況から、
二幕で転身。
息子が病死したのは自分の侵した罪ゆえ、私はフランス王妃として、フランス国王のお側におりますと
決意したあとの凛とした強さと透明感といったら!
真逆といっていいほどに変化したけれど、きっかけとなった子供への愛は二幕ではさらに増しており、
それほど息子を大事に思っていたなら、天罰と恐れおののくわと納得できる。
彼女の視点に自然に立たされてしまう(のはファン欲目かもしれませんが)、泣かされる。
また、歌が素晴らしいのだ。マイクの位置も、口元から耳側へ移動したと思ったら、それも当然、
声が響いて、歌詞が言葉としてダイレクトに伝わるようになっていて、
余計に感情をつかまれる、ゆすぶられる。
なんて素晴らしい。

主人公のロナンも、農民の息子から、革命の象徴にまで変化するけれど、
アントワネットも、大転換。
なぜロナンが、野垂れ死にしてもおかしくない状況で印刷所に拾われてから、
議員を心酔させるカリスマ性を持つようになったのか、見るところが多すぎたためか見逃してしまったのですが、
アントワネットが変化した理由は分る。
一幕から病弱な子供のことをとても愛していた。夫の趣味は、はいはいよかったねーのスルーで、
恋人に現をぬかしているようでいて、子供のことはしっかり愛していたし、
子供に関しては夫と同じ立場で、横並びで心配して喜んでいた。
政略結婚の相手を、愛する子供の父としては認めていたことが分る、丁寧な演技だった。
その愛してやまない子供が、快方に向かったところから急に調子を悪くして死んだのは、
自分の過ちに対して天罰が下ったと考えが浮かんでしまったら、
残っている子供たちに災いが降りかからないために、自分が幸せならばいい不倫という悪行を改め、
母として妻として、望まれるように身を改めるしかないだろうな、と自然と心に入りました。

月バウ『Bandito』は、私の好きな人が活躍しまくる、大満足な作品で、
主演したたまきちはそこで一回り(以上)大きくなったようで、『1789』で目立ちます。
そこに、なにかすごいものかいる、と分るし、ボディパーカッションのシーンでは芯だった。
彼女の声質は悪くないと思うのだけれど、胸の辺りでスクランブルしているようで、ノイズが混じるのがもったいない。

印刷工の群舞がとても楽しい。信じられない角度に身体を倒して滑る小塚崇彦選手のように、
顔が似た人(とし)が身体をバシッと傾けて、キレッキレのダンスを踊っている。
現状に満足できず、いつでも爆発できそうなエネルギーをぎらぎらと瞳からあふれ出しているからんちゃんが凄い。
そしてまんちゃんがバシッと締める。もっともっと見たかった。煌矢さんも光っていた。
秘密警察トリオもアホかわいかった。
ルイ弟の、自分の頭の良さを鼻にかけ、他人をバカにして操れると思い込んでいるいやらしさがあっても、
美しさで嫌悪感をねじ伏せてしまうみやちゃんもよかった。
オランプの海乃さんの薄幸さは、渚あっきーを思わせる詩的なものだったし、小雪ちゃんも大活躍していた。
主演さんも含め月組の面々はおしなべて素晴らしくても、私の心を震わせたのはちゃぴアントワネットです。
『スカーレット ピンパーネル』(2010)のルイ・シャルル(子役)の時から、素直な演技は光っていた。
それから5年。まだ新人公演の学年だというのに、彼女はどんどん成長していく。
ダブルトップの月『ベルばらオスアン編』で、ちゃぴにはアントワネットは無理なのかと思わされたのはなんだったのか。
ロザリーが似合っていた彼女は、今作で見事に存在感のある、物語を支配するアントワネットを演じた。

今回は、シトワイヤンとフランス王妃と、それぞれの対立する立場の象徴の役柄のこともあって、
トップさんと対等の存在感と輝きがあったちゃぴさん(ファンの欲目あり?)は、
今の月組には大きくなりすぎてしまったのかもしれない。
ショー作品では「裏トップ」と言われていた彼女は、一本ものでも「裏トップ」の称号がふさわしいと、
私には納得できるが、その称号(?)を超えさせるわけには行かずと、外部放出なの、と心が騒ぐ、
退団を控えたトップ娘役に与えられる「ミュージックサロン」的な演目発表。

でもどうか、外部に放出なんてしないで。
まだ新人公演学年。龍さんに新しい風をと、月組から離れるのは必要だとしても、
お花さまのように、相手役を変えても長くいて欲しい。
檀れいさんのように、専科入りして、その後別の相手役と組むのもいい。ダンサーと組んだちゃぴさんも見たい。

ちゃぴさんすばらしか、で終わりそうですが、この演目はトップの龍さんありきの演目。
私の思う彼女の美点は、重く深刻になり過ぎないところです。
(前トップさんの薫なんて、重すぎて、第二部のショーで役者さんが笑っていると、
涙が出てしまうほどで、ダブル観劇なんぞしたときには、充実感がありすぎてぐったり疲れてしまうほどだったからなあ)
今回、龍さんにしかできないわ、と特に思ったのは、拷問のシーン。
凄惨なシーンにならず、物語をドンと沈ませることなく、脱獄シーンへつなげることができたのは、
龍さんの個性ゆえだと感じました。
再演をするなら、歌える人じゃないとダメだ、という話から、みっさまやだいもん
(前者は否定されました、少年みっさま、いけると思うんだけどなあ)の名前を私は挙げましたが
拷問を受けて、とんでもない声を上げるだいもんなんて、私の新たな秘すべき趣向の扉が
バンバンあけっぴろげに開放されそうで怖い。
18禁、いえ、25禁モンになること確実、すみれコードなんてはるか彼方、大やけど必須。
だいもんの響く声は大好物でも、『PUCK』なだいもんじゃなく、他のを見たい。
二番手時代の王様@『ばら国』やジャック@『アルジェ』の置かれた環境に、思いをめぐらすと、
数奇な悲惨な人生を送ってきた、はずなのに、舞台からはその重さを私が感じなくてすんだのは、
演じた彼女のファンタジーな個性にあるように思います。

父親を無茶な理由で殺され、憤りに任せて農村からパリに脱出した。
男手を失った田舎の家族は困窮し、妹が娼婦になって母親を支えていた、と
パリで、偶然に妹に再会して、出て行った兄のせいと恨み言を言われても、
お金持ちの平民が妹にぞっこんで、そいつは自分に良くしてくれるいいやつで、
妹にも援助をしっかりしてくれているようだし、いいんじゃない!と明るい、自分を責めることはない。

主人公ロナンは、バスティーユのあたりでオスカルと同じ台詞をいう。
銃で撃たれ、仲間の腕の中で、フランスの未来を願って絶命する構図もオスカルと同じ。
演じている人(主演)も同じだから、きれいに三年前が重なる。

「キラキラ」とファンに表現される彼女の輝きは、「自分大好き」に裏付けられたものに思える。
自己嫌悪やそれに伴う葛藤などを感じさせない、純然たる光。
私は、葛藤や自己嫌悪といった闇を持つゆえ強く放たれているように勝手に思えた
前トップさんの個性のほうが気持ちが良かった根暗民ですが、
これからも現トップさんの稀有な個性が映える作品を見せてもらえることを強く願っています。

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Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
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