お決まりの日々?

モモの節句でございます。

2016宙大劇『エリザベート』 素晴らしい

2016宙組『エリザベート』を観てきました。
7月末までに見た公演で、感想をノートに書いたものの、
ブログに移してはいなかったのに、
宙『エリザベート』が、観劇後一日経ち、(その日は移動が多くて、一つの先で
指輪を置き忘れるなど大変な日で、帰宅まも遅かったのですが)
じわじわと、ああ、そういうことか、と観劇後の違和感が解消され、
これはすごいと思った、その感激に引きづられて、久しぶりに移してみます。

(テキストエディターで書いていたら4000字超えたので、追記以下にたたみます)


真風さんのフランツがすばらしかった!

演目が決まり、専科さんからフランツを演じられるかもしれない方が参加されないと
フランツは彼女かとわかった時から、今となっては大変失礼ですが、
今回の一つ前に演じたのが北翔さんの後では、荷が重いだろうなあと心配していました。
私は、霧矢さんスキーだけれど、フランツに関しては、音域の要因もあり、低音まで響かせた
みっちゃんの方がいいと思っていました。ミュージカルですから!
みっちゃんの演技は手堅く、つぼを押さえた、テクニカル面のすごさを感じさせる、職人ものでした。

初日含め火曜日までの8回のいずれかを観劇した方々から、
「フランツは歴代最高!」と聞いていたのですが、
そのとおりでした。
見た目が、まず皇帝そのもの。ザ・ロイヤル!! 高貴さが空中に弾けています。
なんて説得力のあるお姿か。
そして、心配していた歌。
もともと彼女の声質は好きで、一度だけお渡した手紙に、そのことを書いたこともあります。
上達され、言葉の一文字一文字がわかるようになり、
でもわたしの頭では、再構築しないと意味がわかりにくかったのだけれど、
今の彼女からは、フレーズが一塊として伝わってきました。声も響いています。
低音もばっちり。すばらしい!!!!
演技も押さえた中に、感情が香り立つようで、
気品のある苦悩、裏切って苦しめてしまった妻への誠実な謝罪の気持ち、
そして、シシィに一目ぼれしたときのかわいさったら! フレッシュなフルーツのような若々しさでした。


「フランツは歴代最高!」と、ご一緒した先輩からもお言葉を頂戴しましたが、
シシィもそうかも! 前回のが(わたしにとっては)ひどすぎたってこともある。
わたしの中での歴代最高が2002年で、生の感激が薄れて来てしまっていることもあるのかもしれない。

劇場では、「声がひっくりかえらないか、きたなくならないか、それ以前にでるのか」と手に汗を握って、
失敗したときに備えてハラハラしなくてもいい、気持ちよさに嬉しくなりました。
舞台の上で表現されている世界だけに、没頭できる気持ちよさ!
思いがあふれて、技術が追いつかなくても、人の心をうつ、ということは確かにありますけれど、 
表現に必要な技術は、やはりあるほうがいいなあと、
「ドン・ジュアン」「One Voice」を観させていただいたからか、思います。
しかし、メディアでは、技術が足りえていない演者が、歴代最高などと書かれ、
今、伝説の女帝とエリザベート役を役代わりしているのですから、わたしには親和性の低い世界なのだと思います。

さて、さすがのみりおん!! マイクの位置からして違います。響かせる位置の近くにマイクがある。
そして小さい音でも響きは豊かで、すーっと届く。さすが本公演を軽く凌駕してしまったクリスティーヌ。
こんな美しい響きの、エリザベートの歌を聴きたかったのっっっ!!!!
(前回の花組の新公が、仙名さんだったらどんなにすばらしかったでしょうに)
(先輩に、そんなにみりおんが好きなのに、どうしてかなめちゃん時代の宙組を見ていなかったのかと
 疑問をいただき、そのときは理由を忘れていましたが、思い出しました。
 花組新公でエリザ役をした娘役さんが、宙組にいたからです。そして今は花組の本公演を、
 見なくてもいいかーとスルーを続けている状況です)

役作りもすばらしい。
わたしは今回初めて、シシィという人がわかったような気がしました。

「地味」との評もいただきましたが、ラストを見終えて、思い返しながらじんわり浸っていると、
それが正解だと、貫いた線を感じました。

「私だけに」を歌う前に、懐剣で自殺しようとする流れが、腑に落ちた。
少女の体に収まりきれないエネルギーが、行き場を止められて、暴発し、
衝動的に死のうとした、のではなく、
内気な少女が、高圧的な姑と女官にくちぐちに攻撃されて、
ここでどうやってすごせばいいのだろう、と絶望し、考えれば考えるほど
苦しくなって、剣を見て死んだほうがまし……とこわごわ手を伸ばした、ように見えた。
その前の「馬に乗ります」もエネルギー発散のため、駆け回るというのではなく、
短い時間であっても、宮殿を出て、自分ひとりだけの世界に行きたいとの、
魂からでた、でも小さい叫びに聞こえた。

でも死ぬことはできなかった。彼女の奥にある剄さが、剣をおしとどめた。
これこそがトートを魅了した輝き。

まだ死ねない。生きていたら何とかなるかもしれない、と、次々と子供を奪われる悲しみに
押しつぶされそうになりながら(夫は口では「君の味方だ」と言っても、「母の意見」に忠実で、
力になってくれないし)、可能性を模索しているうちに、夫の彼女への執着も大きかったのだろうが、
彼女の武器を見つけた。美貌が武器になる。夫にも、夫の治世にも。
だから、それに必死にすがりついた。夫から、姑を引き剥がすために、
極端な食事制限に体操で、武器に磨けをかけた。
皇帝の愛を勝ち得続けないと、宮廷で自由に振舞うことが出来ない。
美で勝利した時エリザベートは、彼女の人生の最高潮の中にいた。

姑が、息子をエリザベートから引き剥がそうと、「浮気」を仕掛け、
エリザベートは、夫を彼女につなぎとめようと、常軌を逸した美容法に没頭する。
倒れたエリザベートは、そうとわかるやつれ具合だった。

エリザベートは精神的に病んでいた。
最愛の息子が自殺したのは、助けてと必死に伸ばした彼の手を、自分のことで手一杯だからと
振り払ったからと、ぼろぼろになり(ここの演技も、立っているのが不思議というすごさだった)、
死に逃げようとしたところを、トートに「まだ私を愛してはいない」と、彼女に理解不能の理由で突き放され、
彼女の魂はこのとき、現世からほとんど離れてしまったように見えた。

精神病院でのエリザベート。本人が病でとても苦しい状況でなかったら、
暴れる精神病患者ヴィンティッシュ嬢(狂気が見えてほんとに怖い。暴れるのは、
患者本人がとても辛い状況にあるゆえとわかる)に、憧れのような視線を向け、
「変わってもいいのよ」「あなたのほうが自由」と、本心からこぼれるように言えない。
いっそ狂うことが出来れば、楽になれるのに。
彼女の、たどり着く港を持たない魂の放浪は、まだ続く。
夫が先々に追いかけてきてくれても、彼女の心は戻らない。
それは彼女の心が、生の重力から半ば解放されているから。
(それゆえ、一日8時間も、早歩きの旅を続けられるのだろうなあと、ここでも納得)

狂えない精神で、考えに考えて、
ある日彼女は、黄泉の帝王の声をはっきりと聞く。
「エリザベート」
あなただったのね。
彼女はやっと、彼女の港を見つけ、
日傘で一度は防いだ凶刃を、こんどは自ら進んで受け入れた。

トート(死)を受け入れ、自由な少女だったときの自分を取り戻したシシィは、
泣き笑いのような表情で、トートに体を預けている。
人間シシィ、と思った大鳥シシィもこういう表情だった。
また、結婚式のとき、フランツに必死でしがみついたときと手の表情がまったく違うのがいい。

少女のときの、「人見知り」と歌われるシシィもいい。
パパの前だと自由でいられるんだよね~。そりゃあ味方が一人もいない宮殿に閉じ込められたら
絶望で死にたくなるわ。
子供の頭蓋骨からでるような声なのがすばらしい。
そして落ち着きのない動きが、子供そのもの。(くまモンも子供だなあ、と思う動作で魅了してくれます)
美という武器を手に、戦い勝利したエリザベートの、強い歌声。
老年期になっても、声の透明感で、彼女の魂が若いときと同じく解放されていないところにい続けていることを
表現しながら、肉体表現では老いを感じさせる。

……と、つらつらエリザベートという人と、みりおんのことを考えているうちに、
青い血どころか、赤い血潮が滾っているんじゃないのかと観劇中は違和感があった朝夏トートが、
この病的な、魂を現世においていない、死と生の間にさまよわせているような、
黄泉の帝王が見えても不思議じゃない実咲シシィには、合っていることに気づきました。
彼女が恐れ、跳ね除けながら、どこかで憧れもしてそうな、精力的なトートで正解じゃないかと、合点がいった。
(事実、今回のトートは、黒天使に任せず、よく動き、よく働いているように見える)
魂の置き所がない、不自由で苦しい実咲シシィとちがい、
朝夏トートは実に自由で、あれやこれや策を講じて、自ら動いて、楽しそう。

私の記憶に一番鮮やかな大鳥シシィは、人間だった。
人間にしてはでかすぎるエネルギーを持つシシィと、彼女の輝きに見せられた
陰の存在、青い血の人外、春野トート(←双子ちゃんご出産おめでとうございます!)
エネルギー値が人間の器に大きすぎるゆえ、発散させないと爆発するのではないかと
一日8時間早歩きをしていたように感じたように思う。

実咲シシィは、半分人間をやめていて、身の置き所がないので、
港がないかと、漂っている。魂が、重力から解放されているので、日に8時間も
速歩を続けられるのだな。

役代わりのCパターン、桜木ルドルフのナイーブさ。エリザベートの子供だわ!
友人は、美形一家といっていましたが、見た目だけでなく心も親子。
素直な魂とわかる。

ルキーニは、絵に描いたようなイタリア人のイケメンでした。

マダムヴォルフは、最後の、ルキーニを押し倒しそうな、ぶちゅーまで強烈でした。
「ヴァンパイア・サクセション」もそうだけど、こういう役だと生きる。きれいな人なんだよね。

大司教様が面白すぎる。「ちょっと……」の顔がー。


わたしの見た回では、トートの歌声が、ときどきかすれたようになっていたのだけれど、
聴かせるところは、聴かせてくれたし、フィナーレの銀橋走ってきてジャンプは見事じゃったし、
デュエットダンスも堪能できたし、観劇中の疑問も、そうだったのかと納得でき、
次の観劇がますます愉しみになりました。
気になるところが他にもあるのです。たとえば、ハンガリーのところで、
みりおんシシィがあんまり嬉しそうに見えなかったのは、
夫を動かすことができた美貌が、鮮やかに状況を変えてしまった,ことに、
戸惑いながら、この武器で、いつか自由を手に入れられるかもしれない、とじんわり確信に変わって
いったのを彼女の中で消化していたのか、など。
あと一回しかチケットがないのが、心残り。

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たまり(ょ)

Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

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・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
宝塚歌劇感想
・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
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