お決まりの日々?

モモの節句でございます。

専&宙バウ『双頭の鷲』

『双頭の鷲』バウ公演、見られてよかったとこみあげてくる公演でした。

今日、カメラが入っていると看板が出ていて、DVDの発売をバウホールの方に尋ねている方がおられましたが、
聞こえてきた答えは「資料用」ということでした。
とてもよい作品だったので、映像メディアで残って欲しいなあ。


主な配役で、
・暗殺者、
・美貌の未亡人である王妃、
・王妃の唯一の理解者が自分であることに存在意義をおいている王妃付き女官、
・女官の元彼で暗殺された王の友人で現在は王妃の崇拝者である公爵、
・王妃を敵対視している王太后を操っている伯爵
・王妃が心を許す、耳が聞こえずしゃべることが出来ない黒人の小間使いの少年(読唇術と手話を会得している)
・ストーリーテラー
以外は、「パパラッチ男」「パパラッチ女」であるのを見たとき、
宙組伝統の動く大道具になるのかと心配していましたが、
500人規模の劇場であることがよい効果となり、変わらないセットの場面展開をよく示し、
登場人物が少ない分、中心の二人が立体的に厚く描かれていたように思います。

パパラッチと伯爵、王太后を除いた主要人物が王妃大好きと気持ちのベクトルが向いていて、
元カップル二人の、どちらが王妃に興味を持っていてもらっているかのけんかはバカバカしくもほほえましく
(王妃が信頼しているのは、黒人の少年だけと自分で言っているのに)、
パパラッチもストーリーテラーも興味が王妃に一点集中、伯爵と王太后も敵対視とベクトルが向いていて、
わかりやすいお芝居だったので、真ん中の二人の心情の細かなゆれを、最後列の座席でも感じることができました。
焦点が定まっている芝居なので、映像で見ても、よさは伝わりそう。それでも繰り返しになりますが、
劇場で見られてよかったとうれしくなった芝居でした。

他の芝居をほとんど知らないので比較は出来ませんが、私が見たことがある宝塚歌劇に関しては、
私の好みの方向と違っても、こだわりのある演出家の方が、好きという気持ちが舞台からあふれ出ているようで、
劇場で見てよかったと感じやすく、こだわりの植田景子先生は好きだと思っていたのですが、
「ロストストーリー」「舞音」で株が下がってしまっていましたが、今回はググッとあがりました。
しっかりした原作があったのが良かったのかな? 
美しいものを作り出したい、見せたいという気持ちが
舞台から設置されたスポットライト以外の光となって客席に流れてきていたようでした。

真風さんが宙組に組替えになってから、宙組を毎公演見るようになり、
(かなめさんのさよなら公演は見に行きましたが、ある人の移動後は花組の大劇場公演から足が遠のき。
 次郎吉とリンカーンは見たわ!次からは花組も見ます。仙名さん好き)、みりおん株は毎公演上昇し続けました。「カナリア」と「近松」で見た花時代のみりおんと比べて、なんと美しく、クレバーになられたことか。
みりおんは俯瞰で自分の芝居を見ているような気がする。大きなエネルギーを過不足なく抑制して、
舞台を作品として演出してしているようなハーモニー、調和の美しさを感じます。
「エリザベート」でも感激し、そして今回も大いに驚かされました。
(理事の主演公演は「リンカーン」以降は今回しか見ていないけれど、相手役の娘役力が高いと、
 若く見えることに驚かされます。恐ろしいほど違和感がない。理事もフェアリーだけどそれだけじゃないわ)

ツンデレみりおん。
みりおんが24期上の理事を見事に転がし、理事も存分に彼女に振り回される芝居を違和感なく見せる。
調和は美しいもの。
同じ魂の持ち主とであった、最大の理解者を得、見事な調和と生きるエネルギーが噴出したのに、
王妃を邪魔に思っている伯爵が、不幸への道を敷いてしまった。
彼は彼女を破滅させないため、己の存在を消すことで彼女を守ろうとする。
一人が消えるときはもう一人が消えるとき。そのように誓ったのに。

彼女のほうが彼よりも賢かった、というより、リアリストだったようだ。
嘘にまみれた宮廷での経験地が高かったからかもしれない。
自己犠牲で相手を守るというロマンチシズムに酔わなかったのかもしれない。

彼の命が助からないと知った彼女は、真の心を押し殺し、真逆の言葉を連ねる。
彼女の刃物のような言葉が、彼を自己犠牲によって愛する人を守った喜びから彼を突き落とし、
彼の心の中心をぐさぐさと突き刺しているのを、彼女も同じ痛みに血を流しながら続ける。
二人は一つの魂だから、同じ痛みを感じていて、同じ魂だから彼女と同じ反応を示すという確信が
彼女を壮絶な痛みに耐えさせた。
傷つけられた彼は遠慮なく涙を浮かべ、同じように傷ついているはずの彼女はそれすら押し殺す。
彼の苦しみに思わず駆け寄ってしまった彼女の姿に、彼の彼女の本心をさぐろうと希望を持った瞳に、
さらに厳しい言葉をたたみかけ、彼と彼女の心をえぐる。
彼女の確信どおり、彼は逆上し、バルコニーに向かう彼女を刺した。
彼女は気丈にも階段を上がりきり、バルコニーで国民に手を振るが、そのまま崩れる。
一人残されないとわかった彼女は、先ほどまでの「あなたは私の計画通り毒を飲んだ」の冷たさから一転、
彼の前で誕生した生き生きと美しい女性に戻って謝罪し、「こうしないとあなたは刺してくださらなかったでしょう」と美しくやさしく微笑む。
階下に倒れた彼は、階段を這うように上がり、彼女は階下に手を伸ばし、
やっとつながれた手にスポットライトが残る。

手。
一幕最後で、一つの魂であることを確信した二人の、軽やかなダンス。
彼女の背中に添える手のしっくりとした具合、
くるくると、ふわっと触れたと思うと離れての回転を繰り返す二人の手は、
くすくす笑いのようであり、ついばむキスのようでもあり、手だけでなく全身で
おしゃべりをしつづけているよう。
主演の二人とも、指先まで演技の神経が通っている。雄弁で情感があふれ出る手にも引き込まれるお芝居でした。

理事が当たり役の「ルキーニ」を、みりおんが私の中では歴代最高の「エリザベート」を、
別の形で演じてくれたのはうれしかったけど、続くのはもったいないな退団があるから仕方がないか
(ちゃぴが「舞音」と「カルメン」を続けて演じたのももったいなかった)と思っていたので、
愛月さんがストーリーテラー役じゃなくて良かったです。そして見事に説得のあるビジュアル。
権力を手中に収めていて、宮廷を牛耳っていると、一目でわかるビジュアル上等様様でした。

みりおんの退団公演、何回見ることが出来るかなあ……。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://okimari.blog26.fc2.com/tb.php/3987-19555318

Menu

プロフィール

たまり(ょ)

Author:たまり(ょ)
『マイメロ』の柊恵一さん中心感想や、奈良大淀病院事件の傍聴記録を書いていました。

現在は、感想や日記を時々。
スポットライト(好きな人しか目に入らない視野狭窄)状態で、片寄ってます。

何となくの傾向インデックス
・「某Oさん」や「花柄の君さま」などと表記させていただいている声優さんのファンなので御出演作♪
『おねがいマイメロディ』シリーズ(終了)
・『電王』以降のスーパーヒーロータイム
宝塚歌劇感想
・他ドラマなど
・医療破壊に関しては涅槃の境地にいけたらイイナ♪
リンク先=『麻生太郎オフィシャルサイト』さんスキー♪

チベットを知るために-人権問題(ダライラマ法王日本代表部事務所)

最近の記事

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

カウンター

QLOOKアクセス解析

ブログ内検索

月別アーカイブ

なかのひと。